教育振興基本計画19
皆さんこんにちは。
令和5年6月、新たな教育振興基本計画が閣議決定されました。
そもそも教育振興基本計画とは、「教育基本法(平成18年法律第120号)に示された理念の実現と、我が国の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため、同法第17条第1項に基づき政府として策定する計画です。」と説明にある通り、政府が教育をどのようにしていくか、という施策のもとになるものです。
特に行政職の皆様はしっかりコンセプトや計画を確認して、ご自分の自治体の施策にご活用いただければと思います。なぜなら、予算が通りやすいからです。自治体独自の施策を実施しようとしたときに、「教育振興基本計画のこの部分に則っています」という説明は大変有効ではないでしょうか。
本文のボリュームも多く、新しい言葉も次々出てきますが、ゆっくりご一緒に確認していきましょう。
Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策
(目標、基本施策及び指標)
目標2 豊かな心の育成
ここにも「ウェルビーイング」の概念が出ています。豊かな心を育むためには、ということで今まで書かれてきたことが再掲されています。「子供の最善の利益の実現と主観的ウェルビーイングの向上を図る」と述べられています。ハイパーブレインも、教育の情報化を通して、子どもたちが楽しく学べる世界の実現に貢献したいと思っていますので、この項目は特によく読みました。
基本施策は以下の通りです。
- 子供の権利利益の擁護
- 主観的ウェルビーイングの向上
- 道徳教育の推進
- 発達支持的生徒指導の推進
- いじめ等への対応、人権教育の推進
- 児童生徒の自殺対策の推進
- 生命(いのち)の安全教育の推進
- 体験活動・交流活動の充実
- 読書活動の充実
- 伝統や文化等に関する教育の推進
- 青少年の健全育成
- 文化芸術による子供の豊かな心の育成
どの項目も重要で、子どもたちの心を豊かにするために必要なものですね。これらが達成できたかどうかの指標は以下のように定義されています。
- 自分にはよいところがあると思う児童生徒の割合の増加
- 将来の夢や目標を持っている児童生徒の割合の増加(再掲)
- 普段の生活の中で、幸せな気持ちになることがある児童生徒の割合の増加
- 友達関係に満足している児童生徒の割合の増加
- 地域や社会をよくするために何かしてみたいと思う児童生徒の割合の増加
- いじめ重大事態のうち、いじめ防止対策推進法第 28 条第1項第1号に定める事案で、生命身体に重大な被害が生じた場合に係る総合教育会議の開催状況の改善
- 児童生徒の人口 10 万人当たりの自殺者数の減少
- 自分と違う意見について考えるのは楽しいと思う児童生徒の割合の増加
- 困りごとや不安があるときに、先生や学校にいる大人にいつでも相談できると感じている児童生徒の割合の増加
- 人が困っているときは進んで助けていると考える児童生徒の割合の増加
- 先生は自分のいいところを認めてくれると思う児童生徒の割合の増加
- 子供の不読率(1か月に1冊も本を読まなかった子供の割合)の減少
- 子供の鑑賞、鑑賞以外の文化芸術活動へのそれぞれの参加割合の増加
- 過去に、文化芸術の鑑賞体験機会がない子供たちが、学校等での鑑賞体験事業を通じて、文化芸術への興味関心を持った割合の増加
- 公的機関や民間団体等が行う自然体験活動に関する行事に参加した青少年の割合の増加
目標1で掲載されていた「将来の夢や目標を持っている児童生徒の割合の増加」についてはここでも再掲されています。それだけ重要なものだと認識されているわけですね。どのような調査をもって「増加した」と定義するのか興味があります。
増加や減少の幅がどれくらいを想定しているのかはこの計画からは読み取れませんが、「先生は自分のいいところを認めてくれると思う児童生徒の割合の増加」のためには先生方に余裕を作る必要があり、それこそハイパーブレインが目指しているところですので、ますます頑張ります。
来週は教育振興基本計画Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策の(目標、基本施策及び指標)の続きを読んでいきます。
投稿者プロフィール
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株式会社ハイパーブレインの取締役教育DX推進部長 広報室長です。
教育情報化コーディネータ1級
愛知教育大学非常勤講師です。専門はICT支援員の研究です。
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