教育振興基本計画23
皆さんこんにちは。
令和5年6月、新たな教育振興基本計画が閣議決定されました。
そもそも教育振興基本計画とは、「教育基本法(平成18年法律第120号)に示された理念の実現と、我が国の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため、同法第17条第1項に基づき政府として策定する計画です。」と説明にある通り、政府が教育をどのようにしていくか、という施策のもとになるものです。
特に行政職の皆様はしっかりコンセプトや計画を確認して、ご自分の自治体の施策にご活用いただければと思います。なぜなら、予算が通りやすいからです。自治体独自の施策を実施しようとしたときに、「教育振興基本計画のこの部分に則っています」という説明は大変有効ではないでしょうか。
本文のボリュームも多く、新しい言葉も次々出てきますが、ゆっくりご一緒に確認していきましょう。
Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策
(目標、基本施策及び指標)
目標6 主体的に社会の形成に参画する態度の育成・規範意識の醸成
主体的に社会の形成に参画する、というのは現在の日本では希薄になってきているように感じます。選挙の投票率一つとってもそうですね。自分たちが生きやすいように物事を進めてくれる人を選ぶ、ということについて「まあ誰かが何とかうまくやってくれるだろう」と他人事のように考えている人の意見を聞きます。
自分のことすらも調べてくれる人に依存しているのもよく見聞きします。手元にスマートフォンがあるのですから、調べるということに対してのリテラシーを身に着けていけば、とても便利なものなのですが、リテラシーは使わないと身に着きませんから難しいところですね。
「態度」の育成ですから、新学習指導要領の評価の観点ともつながってきます。「態度」を育成する決まったメソッドはなかなかありませんから、先生方の試行錯誤が必要なものですね。施策としては以下のものが挙げられています。
- 子供の意見表明
- 主権者教育の推進
- 持続可能な開発のための教育(ESD)の推進
- 男女共同参画の推進
- 消費者教育の推進
- 環境教育の推進
- 災害復興教育の推進
子供の意見はどんどん表明できる機会を学校で作ってほしいですね。私は、個人的に以前から「学校最大のステークホルダーは子供なのに、例えば校則を決める時に子供たちの意見を聞いているのを聞いたことがない」のは問題だと思っています。私の勉強不足という側面もあると思いますので、「子供たちが参画して校則を作った」学校があればぜひ教えてください。
指標は少なく2個です。つまり、「態度」をどうやって評価するかということはとても難しく、今も試行錯誤の状態だ、ということが考えられるのではと思います。
- 地域や社会をよくするために何かしてみたいと思う児童生徒の割合の増加(再掲)
- 学級生活をよりよくするために学級会(学級活動)で話し合い、互いの意見のよさを生かして解決方法を決めていると答える児童生徒の割合の増加
来週は教育振興基本計画Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策の(目標、基本施策及び指標)の続きを読んでいきます。
投稿者プロフィール
-
株式会社ハイパーブレインの取締役教育DX推進部長 広報室長です。
教育情報化コーディネータ1級
愛知教育大学非常勤講師です。専門はICT支援員の研究です。
最新の投稿
- HBI通信2024年12月16日教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和6年1月)28
- HBI通信2024年12月9日教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和6年1月)27
- HBI通信2024年12月2日教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和6年1月)26
- HBI通信2024年11月25日教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和6年1月)25