教育振興基本計画31

皆さんこんにちは。

令和5年6月、新たな教育振興基本計画が閣議決定されました。

そもそも教育振興基本計画とは、「教育基本法(平成18年法律第120号)に示された理念の実現と、我が国の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため、同法第17条第1項に基づき政府として策定する計画です。」と説明にある通り、政府が教育をどのようにしていくか、という施策のもとになるものです。

特に行政職の皆様はしっかりコンセプトや計画を確認して、ご自分の自治体の施策にご活用いただければと思います。なぜなら、予算が通りやすいからです。自治体独自の施策を実施しようとしたときに、「教育振興基本計画のこの部分に則っています」という説明は大変有効ではないでしょうか。

本文のボリュームも多く、新しい言葉も次々出てきますが、ゆっくりご一緒に確認していきましょう。

Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策

(目標、基本施策及び指標)

目標14 NPO・企業・地域団体等との連携・協働

ここで一番重要なことは「学校外の多様な担い手による学びの提供や多様な支援体制の確保」です。教員だけで子どもたちの学びを何とかするのではなく、多様な担い手による、様々な学びというのが重要ですね。

「教員は世間知らず」ということがまことしやかにささやかれますが、私はそうは思いません。例えば、すべてのことを親や配偶者に任せて、教員の仕事と自分のケアしかしていないような教員は世間知らずだと思いますが(それはすべてのことを親や配偶者に任せて、仕事と自分のケアしかしない人も同様ですね)多様な学びを子どもたちに最大限に活かせることができるのは教員だけだと思います。

ですので、外部の人がやってきて、普段とは違う経験をしたり、話を聞いたりしたときに、「ふーん」で終わるのか、なんらか興味を引くことができるのか、は教員の手腕だと思います。

もっとも、そんな余裕が現場にないから問題だ! ということは常々申し上げている通りです。計画には理想がたくさん書かれていますが、その理想を実現するためには、先生方に余裕がなければなりません。余裕を作るためには、仕事を減らすか、人手を増やすかですが、現場は「仕事は増えるわ人手は減るわ」でてんやわんやです。

そういうことをきちんと把握したうえで、それでも、理想は誰かが言わなければなりませんから、この計画も作られていると思っています。計画の意義は大きいので、どうか、現場への手当てについてももっと関心高くなるようにハイパーブレインはご支援を頑張ります。

今回の施策は以下の通りです。

  • NPO との連携
  • 企業等との連携
  • スポーツ・文化芸術団体との連携
  • 医療・保健機関との連携
  • 福祉機関との連携
  • 警察・司法との連携
  • 関係省庁との連携

挙げられているどの団体とも、連携は重要ですね。警察や司法との連携は特に今学校に必要だと思います。指標は以下の通りです。

  • 学校に対する地域や保護者の理解が深まったと認識している学校の割合の増加(再掲)
  • 職場見学(小学校)・職業体験(中学校)・就業体験活動(高等学校)の実施の割合の増加
  • 都道府県、指定都市における教育行政に係る法務相談体制の整備状況の改善

法務相談体制が現在どうなっているのか、どうなったら改善なのかちょっと不明な指標ですが、まずは書いておくことが重要だと理解しました。

来週は教育振興基本計画Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策の(目標、基本施策及び指標)の続きを読んでいきます。

投稿者プロフィール

大江 香織
大江 香織
株式会社ハイパーブレインの取締役教育DX推進部長 広報室長です。
教育情報化コーディネータ1級
愛知教育大学非常勤講師です。専門はICT支援員の研究です。