アイデア出し4 学校の支援から生まれたアイデア
いつもこの支援員日記をご覧いただき、ありがとうございます。早いものでこのコーナーを担当して一年が経ちました。プログラミングは簡単に始められること、さらにScratchの楽しさまで伝わっているといいなと思います。
さて、今月は日頃の学校支援から思いついたアイデアをご紹介します。
みなさんご存じの通り、2020年度からプログラミング教育が始まります。教材についての議論はこれからだと思いますが、私たちは本番に向けて今年度から独自に支援員のためのプログラミング研修を始めています。
それに加えて、市内の学校よりプログラミングの授業のご支援の相談を受けることも増えました。せっかくのチャンスです。私たちは、プログラミングの初歩を、先生とご一緒に授業でどのように取り扱うか、ご提案させていただくことになりました。
取り掛かりとして、NHK for Schoolの「Why!?プログラミング」http://www.nhk.or.jp/gijutsu/programming/ の教材をご提案させていただきました。Scratchは「どうぞ授業に使ってください」とロゴやスプライトの使用も推奨しているため、自由度が高く、様々な解説サイト、解説本も手に入りやすいのです。
NHK for schoolサイト上には教師用の指導案も用意されていますので、ご提案の際にも先生方にわかりやすいとご好評いただいています。
また、「Hour of Code」 https://hourofcode.com/jp も適宜ご紹介しています。こちらは低学年でも楽しめますし、ゲーム要素も強く、画面の中の課題を一つ一つ子供自身で解決していくと、知らないうちにプログラミングを学習しているというものです。
Hour of Codeも広くアメリカやイギリスなど諸外国で、すでに子供たちが使っています。
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さて、先日別の支援員から「1・2年生、さらに特別支援のクラスからもプログラミングの授業の希望が出てきた」と相談を受けました。
いきなり上記のソフトを使うのはどうかと困っていたので、私は上記プログラミング教材への導入の意味で、Scratchで迷路を作成しました。
『programming for beginnersプログラミング第一歩new』
https://scratch.mit.edu/projects/185873907/
Scratchに用意されているBEETLEは「前」にしか進めないという設定にしました。動かすには「右」あるいは「左」に向きを変える必要があります。低学年の子は、いきなりBEETLEの立場で向きを考えることが難しそうなので、画面ショットをプリントアウトしました。その上に同じく印刷して用意したBEETLEを置いて、プリントやBEETLEの向きを変えながら、まずは紙の上、さらに画面内へと進んでプログラムを組んでもらいました。最初は難しそうでしたが、「あっ、そうか!」という声があちこちから聞こえ、とても楽しそうに学んでいました。
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特別支援学級の児童にはもう一種類用意しました。
『カエルめいろ1』
https://scratch.mit.edu/projects/188098652/
『カエルめいろ2』
https://scratch.mit.edu/projects/188153176/
カエルは前だけでなく、四方に飛べることにしています。子供に合わせて、画面内の4つの矢印(↑→↓←)ボタンで動かすパターンと、上から矢印を並べてプログラミングらしく設定するパターンの2つです。
BEETLEもカエルも授業ではとても好評のようです。カエルはHour of Codeで設定されている「コンピュータサイエンス入門」のコース1 https://studio.code.org/courses 、BEETLEは同じくコース2につながります。ちなみにそこでは、BEETLEパターンの時は「右」「前」「左」、カエルパターンの時は「東」「南」「西」「北」という表記になっています。
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私は昨年度の最後の授業時に、ご挨拶を兼ねてScratchでプロジェクトを作りました。
『ROBO君から"1年間ありがとう"Japanese ver.』
https://scratch.mit.edu/projects/146092684/
ロボットの声は自動読み上げソフトを使いました。見た子供たちから「い・ち・ね・ん・か・ん・あ・り・が・と・う」とロボットの声を真似て合唱が始まりました!
6年生には別の物を用意しました。
『6年生の皆さんへ...Congratulations on your graduation!』
https://scratch.mit.edu/projects/141698816/
6年間の学校生活や行事を取り上げ、アニメのように動きを付けたものです。背景に「仰げば尊し」も加えました。
子供たちは食い入るように画面を見ていました。「卒業おめでとうございます!」
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「6年生のみなさんへ」のプロジェクトを公開して数秒間で、「お気に入り」のボタンが1つ押されました。私の中では1、2を争う大作です。飛び上がるほど嬉しく思いました。
さらに1週間で総参照数が100を超え、以降、日本中の子供たちからはたくさんのコメントをいただいています。
「ありがとう!」「感動です!!」「卒業式を思い出して泣いちゃった!」「卒業式で仰げば尊し歌いたかった」「なんか寂しくなるなぁ…小6のとき見たかった(中1)」等々。その他にも、プロジェクト内の学校の様子と比較して、自分の学校の様子を教えてくれる子もいました。また、Scratchにはこんな使い方ができるんだという言葉ももらいました。
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3月は卒業シーズン、そして年度の切り替え。
私は来年度も支援員を続けますが、この時期に気持ちを引き締めて、新しい年度を迎えたいと思います。
これからもScratchにもますます磨きをかけるつもりです!!
Scratchって楽しいですね!!!!!
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教育の情報化に貢献し,豊かな会社と社会を作ります。
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