-校務支援システムの導入を考える 校務支援システムと通知表-
こんにちは、支援員Sです。学校様におかれましては、1学期通知表の準備がほぼ整い、手渡すのを待っているという頃合いかと思います。児童生徒の皆さんはどきどきしていることでしょう。
日頃、「どんなお仕事をされていますか?」と聞かれることがありますが、「学校様のご支援をしております」と回答する際に、校務支援システムのお話に触れますと、「今の学校はパソコンで成績を入力してプリントアウトするのですか! ゴム印で○を付けるのではないのですね、時代はかわったのですね……」という反応をいただきます。世間的にはまだまだ浸透していないのかもしれませんね。
さて、今回は校務支援システムと通知表についてお話ししたいと思います。
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4月に「校務支援システムの導入を考える」というお話をしました。
その際、校務支援システム導入のメリットをお話ししました。覚えていらっしゃいますか? 主に以下3点お話ししました。
- ○手作業の大幅削減
- ○学校内・学校間の連携
- ○運用の統一化
「○運用の統一化」とは、簡単に申し上げると、校務上の「学校独自」ルールを減らし、自治体規模で校務のルールを統一していくことで、先生方の異動があった際に、異動先の学校様で校務上、新しく覚えることを減らしていこうというものです。校務支援システムを導入することで、入力方法や観点別評価、評定の算出方法など、成績を算出する仕組みを統一していくことができます。
次に焦点となるのは通知表などの「帳票」です。学校様によってさまざまな様式で通知表を作成されているという自治体様も多いと思います(ただ、学校独自様式といっても、大きな差異がない場合が多い印象です)。
校務支援システムを導入しようとする時に「通知表(帳票)を統一様式」にするか、従来通り「各校の様式」にするか、岐路に立ちます。
「帳票の統一化はしない」という方針は間違いではありません。それぞれの学校運営上でいえば、様式の変更をしない場合、校務支援システム導入後の違和感が少なく済みますし、保護者様へ通知表様式の変更についての周知も必要ありません。実際に校務支援システム導入時は各校別の様式を使用されている自治体様も多くあります。
しかし、2、3年運用されると「様式の統一化」に方針を変更される自治体様が数多くいらっしゃることに気が付きました。
では、なぜ、「通知表(帳票)の統一化」に変更されていく自治体様が多いのかご説明させていただきます。そこには主に2点メリットがあると思われます。
○校務上の学校独自ルールを減らす
通知表様式が各校異なると、通知表作成のルールも異なります。よくある例として、市内A校では「出欠席の備考を通知表の出欠席欄に記載する」けれど、B校では「出欠席の備考は通知表には記載しない」といったケースがあります。
このように通知表の様式に違いがあると、前在籍校のA校では校務支援システムに学期ごとの出欠席の備考を入力していたので、異動先のB校でも入力を行ったところ、通知表の試し出力をした際に出力されないことに気づいた……ということがあり得ます(「わざわざ入力したのにーーーー!!」と思ってしまいますね)。
通知表を作成する前に、自校の通知表作成について周知があるといいのですが、お忙しい中、なかなか細かい部分の周知は難しいものがあるのではないでしょうか。
一方自治体様内で様式が統一されていると、どの学校に異動しても校務システム上の入力箇所は同じ、出力される様式も同じなので「B校ではどんな様式ですか…?」という確認のための時間が不要になります。
○予算を抑えられる
例えば、小中学校が50校ある自治体様の場合、通知表(帳票)様式を各校別々にしようとすると、少なくとも50通りのカスタマイズが必要です。カスタマイズは基本、費用がかかります。しかし、小学校、中学校それぞれ統一様式にすると、最小で2通りのカスタマイズで済むのです。(なお、各学期の様式が必要な場合を想定すると、帳票のカスタマイズはより多く必要になります)。
道徳の教科化や小学校の外国語教育など、指導要領が改訂されますと、通知表の様式も変更が必要となる場合があります。そのような場合に各校様式が異なっていると、学校数分の帳票の調整が必要です。統一様式であれば、最小限の帳票の調整で済みます。
それでは、通知表(帳票)様式を統一するためには、どうしたらよいでしょうか。
それは、校務支援部会などの第三者委員会を設け、「話し合う」必要があります。話し合って各学校様のご意見を集約して作成していくのが理想です。時間はかかってしまいます。けれど、各学校が納得して運用ルールを統一していくためには避けては通れない過程でもあります。
規模が大きい自治体様であれば、様式を1つに絞るのではなく、「A様式(出欠席の備考あり)」「B様式(出欠席の備考なし)」というように、何通りかの様式に集約して、学校様にあった様式を選択いただくという方法もあるでしょう。答えは1つではないですし、方法は1つではありません。お困りであれば、メーカーや導入業者、サポート業者にもお声がけ頂いてみんなで知恵を絞りましょう。
長くなってきましたね、読むのが疲れたころかと思います。第4回目のお話しはここまでとしましょう。次回の第5回目では、「ちょっと待って調査書!」をお届けしようと思います(なお、表題は思いつきなので、変更となる場合があります。ご承知おきくださいませ)。
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このような形で今後も月1回お届けしようと思います。行政職の皆さまには校務支援システムの導入と活用の様子について知っていただくきっかけになればと思っております。ご意見、ご質問等をどうぞよろしくお願いいたします。
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株式会社ハイパーブレインです。
教育の情報化に貢献し,豊かな会社と社会を作ります。
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