教育の情報化加速化プラン3-3は校務面でのICTの活用についてです
皆さんこんにちは。「教育の情報化加速化プラン」のご紹介第3回です。
本日は3-3 校務面でのICTの活用
をご説明させていただきます。
3-3では教育の常務の効率化及び教育の質の向上の観点から、教育情報セキュリティ対策を徹底することを大前提として、統合型校務支援システムの普及促進を図る、とあります。
時代が進むにつれ、個人情報に関する保存方法も進化し、容易な共有が容易な漏えいにつながりかねない状況を打破するために、セキュリティについて最初に言及されています。
まず1つ目「教育情報セキュリティの徹底」については、
- ・ただちに「教育情報セキュリティ対策推進チーム(仮称)」を設置し、教育版情報セキュリティポリシーのガイドラインの策定に向けた検討、教育委員会・学校への助言を行う
- ・平成28年度内に教育版の情報セキュリティポリシーのガイドラインを策定
とあります。
「ただちに」と書かれている通り、教育情報セキュリティ対策推進チームは既に発足し、9月26日に第1回が開催されています。
その会の中で、教育版情報セキュリティポリシーのガイドライン策定が話し合われ、3月までに公開されるということが決まっています。
昨今の情勢を鑑みて、公開され次第ぜひとも参考にしたい資料ですね。
2つ目は「統合型校務支援システムの普及推進」です
3つの施策が書かれていますが、すべて平成28年度より順次実施だそうです。
- ・システムの対象となる業務の範囲を明確化し、システム化すべき校務の定義を行う
- ・校務に関する文書等の電子化・標準化の考え方の整理及び業務改革の促進
- ・複数自治体による統合型校務支援システムの導入・運用に向けた考え方を整理する
ということです。
国際的な調査結果から見る教員の多忙化 でもご紹介した通り、TALISで多忙を極める日本の教員の姿が浮き彫りになり、「システム化すべき校務」や、「文書等の電子化・標準化の考え方の整理」については、国が指針を出せば、非常に参考になるということは行政職の皆さんはご理解いただけると思います。
また、自治体の規模等を考えて、単独で校務支援システムを導入するのは難しい、ということはよくある話ですので、統合型校務支援システムの導入・運用に向けた考え方について整理されると、近隣自治体との話し合いもスムーズにいきそうです。
それに、「学校には学校独自の考え方がある」という学校側の理解も求めやすいのではと思います。
統合型校務支援システムが普及すれば、例えば県内どこに行っても同じ内容をシステム化することができるため、異動に伴う煩雑な事務作業が減ることが考えられます。児童生徒も転出入時の手続きがさらに簡素化できることも考えられます。
3-3はこの2つから構成されていますが、セキュリティと校務についてはこの10年間でずいぶん考えが変わってきたと感じます。
行政職の皆さんも、先生方がどのような校務業務を行っているのか、知る機会が増えているのではないでしょうか。
昔は個人情報を持ち出すのもなかなか大変でした。
指導要録は金庫に厳重に保管されているのでそのデータを持ち出すには写真を撮ったりコピーをしたりするしかありませんでした。写真を撮るのもフィルムを用意して大変でしたね。
ところが、校務支援システムで指導要録を作成するようになると、自分のUSBメモリに保存して持ち出すことへのハードルが下がりました。
そこで必要なのがセキュリティポリシーです。そのセキュリティポリシーを守っている限り、事故が起こったときにも責任範囲が明確です。
統合型校務支援システムが普及すれば、先生方の校務に関する負担が減るとともに、システム化されている校務が何か、ということがそろってきます。
全国でシステム化されている内容がそろい、さらにそこにプラスアルファした各校独自の教育が行われる、というのは児童生徒にとっても非常にいいことであると考えられます。都会の子も田舎の子も基礎は同じで、地域独自の勉強がさらにできる、というのは強みです。
次回は3-4授業・学習面と校務面の両面でのICTの活用についてご説明します
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株式会社ハイパーブレインです。
教育の情報化に貢献し,豊かな会社と社会を作ります。
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