ICT環境の整備が必要です
皆さんこんにちは
2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
今回は、教師の養成、採用等についてと、ICT環境整備の在り方についてお送りします。
まず、養成の取組が述べられています。教職コアカリキュラムが平成29年に制定されました。
その中で、「子供たちの興味・関心を高めたり課題を明確につかませたり学習内容を的確にまとめさせたりするために、情報機器を活用して効果的に教材等を作成・提示することができる」といった到達目標などが示されているとのことです。とにかく「情報機器を活用して教材を作成・提示」することができる状態で教員になる、ということが示されているわけですね。
平成31年4月以降に入学する学生がこれに該当するため、最短で令和4年4月の新卒で採用された先生はばっちり活用できるということです。
教師の採用については「教員のICT活用指導力チェックリスト」を意識した専攻を行うことなどの工夫が考えられるとあります。
それだけではなく、情報の免許を持つ教員の計画的な採用が重要であるとあります。
免許外の先生が情報を教える現実の一方、情報の教員募集が0という自治体も多くあります。きちんと情報の勉強をして免許を取得した教員が現場で活躍できるようにしていただきたいですね。
これは行政職の皆さんにしてください、とお伝えしてもできるものではありませんが、そういう状況がある、ということを覚えておいていただければと思います。
続いて学校におけるICT環境整備の第7章に入ります。これは行政職の皆様に身近なところですね。この章はよく読んでおいていただければと思います。
まずICT環境整備の在り方ということで、経緯が書かれています。
第2期教育振興基本計画での目標は達成されなかったわけです。地域間にも格差がある、ということが述べられています。地方交付税で措置された予算は、ICTにきちんと使われませんでした。これは現場で働いてみえる行政職の皆さんがよくお判りいただいていることだと思います。むしろ、「え、そんな交付税があったの」、という方もいらっしゃるかもしれません。
第3期教育振興基本計画は、「平成30年度以降の学校におけるICT環境の整備方針」に基づいて整備指針が定められました。
大体3クラスに1クラス分の児童生徒用端末、という整備数は当時現実を見た指針だなと感じられました。あまりかけ離れた目標だと整備する気にもなれないのかな、と思った記憶があります。
それが、HBI通信でも何度も申し上げている通り、令和に時代が変わるのに合わせて何か突然動き出したような印象があります。
令和元年6月には学校教育の情報化の推進に関する法律では、「国はデジタル教材の円滑な使用を確保するための情報通信機器その他の危機の導入及び情報通信ネットワークを利用できる環境の整備、学校事務にかかる情報システムの構築その他の学校における情報通信技術の活用のための環境の整備に必要な施策を講ずるものとする」とあります。
法律ができると根拠ができるのですね。GIGAスクール構想にはこの法律の施行が大きく影響していると感じます。
この後手引きでは、「平成30年度以降の学校におけるICT環境の整備方針」及び「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」の抜粋が転載されています。
そちらの整備水準と、2020年4月10日現在の整備に関する考え方はもうすでにギャップがあります。
新型コロナウイルスの脅威のため、できるだけ早く1人1台の整備を実施する必要がある、と文科省も言っていますね。現在の状況がどうなっていくか、未来がわからない状況です。
言えることは、1人1台の整備ができていないため、学校が休校になった場合学びの場がなくなってしまうということが発生する可能性が高いということですね。1人1台整備していればいいかというとそういうわけではありませんが、例えば、「google classroomの「×××××××」に参加してください」と言われて操作をできる児童生徒は少ないでしょう。
普段授業ではそのようなことをやっていないからですね。クラスルームを作成することのできる教職員も少ないでしょう。
普段からICTを活用していれば、難なく操作できることですが、それができるようになるために必要なことはICTリテラシーとして身に付けておかないとわからないことです。
行政職の皆様、時代が急激に変わり始めています。ご一緒に、この波を乗り越えていきましょう。
次回はICT環境の財政措置についてご説明します。
何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。
投稿者プロフィール
-
株式会社ハイパーブレインです。
教育の情報化に貢献し,豊かな会社と社会を作ります。
最新の投稿
- HBI通信2022年2月21日令和の日本型教育とは38
- HBI通信2022年2月14日令和の日本型教育とは37
- HBI通信2022年2月7日令和の日本型教育とは36
- HBI通信2022年2月3日令和の日本型教育とは36