令和の日本型教育とは3

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の2「日本型学校教育の成り立ちと成果、直面する課題と新たな動きについて」を読んでいきましょう。

話は明治の「学制」から始まっています。20世紀初頭以降、就学率の上昇と共に学年学級制が一般化したとのことです。その後は戦後の話ですね。学校教育法により、義務教育機関の9年制等今日まで続く学校教育制度の基本が形成されたとあります。

今の学校を支えている大事な法律、効率義務教育諸学校の学級編成及び教職員の定数の標準に関する法律(義務標準法)をはじめ、義務教育費国庫負担法、義務教育諸学校の教科利用図書の無償措置に関する法律などが出来上がり、義務教育の間の教育費は家庭での負担を極力なくす方向に進みました。これで、質の高い教育を全国どこでも提供することができ、国民の教育水準が向上し、社会発展の原動力となった、とあります。教育は国の礎だということですね。

日本型の教育と言われる、学習指導のみならず生徒指導等の面でも主要な役割を学校が担っているため、様々な場面を通じて子どもたちの状況を総合的に把握して教師が指導する、というような状況は、諸外国から高く評価されている、とあります。

続いて「日本人は礼儀正しく、勤勉で、道徳心が高いと考えられており、また、我が国の治安の良さは世界有数である。これは、全人格的な陶冶、社会性の涵養を目指す日本型学校教育の成果であると評価することができる」とあります。今まで実施されてきた教育がとても効果があった、という評価ですね。

そして、新型コロナウイルス蔓延に伴う臨時休校を経て、学校は「学習機会と学力を保障するという役割のみならず、全人的な発達・成長を保障する役割や、人と安全・安心につながることができる居場所・セーフティネットとして身体的、精神的な健康を保障するという福祉的な役割をも担っていることが再認識された」とあります。学校が休校になった途端に、多くの家庭が非常に困った、子どもたちも困った、という状況になったのは記憶に新しいところですね。我が家も子どもたちが一人でご飯を作ることができる年になっていたためまだ助かりましたが、これが低学年だったらと考えると仕事が続けられたかどうか大いに疑問です。

その次に語られているのは「変化する社会の中で我が国の学校教育が直面している課題」です。この課題はとてもたくさんあげられているので、次回も読んでいきますが、一番最初にあげられているのは「社会構造の変化と日本型教育」の課題です。

これまでの日本型教育は成果を上げてきた、と答申にも書かれていますが、これからもずっと同じ形で成果が上がるかというとそうではない、という風に判断しているということですね。4点あげられている課題を要約すると、

・経済至上主義的価値観が拡大し、学力差が顕在化した

・自ら課題を見つけ、それを解決する力を育成するため他者と郷土史、自ら考え抜く学びが十分なされていないのではないか

・画一的・同調主義的な学校文化が顕在化しやすくなった

・学校及び教師が担うべき業務の範囲が拡大されその負担を増大させている

となりそうです。

特に、「みんなで同じことを、同じように」については課題として2回取り上げられており、そのような労働者が今後は求められていないということが学校現場との認識のずれだと考えられるということですね。

次回は第1部総論2.日本型学校教育の成り立ちと成果、直面する課題と新たな動きについての続きを読んでいきます。

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