ICTを活用した学習場面は、学校に限定されなくなってきました

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。そして、その後のICTを取り巻く状況の大きな変化に対応して、2020年6月に追補版が発行されました。要所要所を確認しながら読んでいきましょう。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html

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本日は追補版第4章 教科等の指導におけるICTの活用から、ICTを効果的に活用した学習場面の分類例を確認しましょう。
すぐ分類する、という風に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、分類しておくと、様々なことが考えやすいですよね。学習場面、ということだけでしたら個別なのか協働なのか、家なのか学校なのか、どういう場面でも想定でき、話し合う軸がぶれます。
個別学習で必要なツールと、家と学校を結んで学習する時必要なツールは重なる部分もあるかもしれませんが、まったく違うものも必要ですね。それを同時にずっと話すのは解決までのロードマップが非常に長くなりがちです。
分類毎に話しておいて、最終的に俯瞰して見られるといいのではと思います。最初俯瞰しておいて、細かく分類毎に話すのもいいですね。とにかく、ふわふわした混然一体の状態ではない、ということを明確にしておくことが、ロードマップを短縮します。

手引きでは
A:一斉学習(教師による教材の提示)
B:個別学習
C:協働学習
と分類されています。

このうちA一斉学習では、拡大して提示する、ということが述べられていてこれはかなりの学校で実現できているのではと思われます。2010年頃には書画カメラで松の雄花と雌花を見せたら先生はヒーローでしたが、今ではそういう工夫をされている先生はとてもたくさんみえますね。

Bの個別学習は5種類あげられています。そのうち特に注目するのはB5家庭学習です。
新型コロナウイルスの脅威の結果、学習者用コンピューターを家庭に持ち帰り、学びの継続を図る、ということができた自治体とできなかった自治体がありましたね。
できた自治体は、先進的に様々な訓練を実施していたのか、というと実はそうでもないことは、熊本市の事例で度々繰り返されています。
熊本市が学習者用コンピューターを持ち帰り学習できたのは、まず、子どもたちと先生方が学習者用コンピューターの操作に慣れていたことが大きな要因であることは間違いありません。ですが、じゃあそこでZOOMの練習をしていたのか、というととくにはしていなかった、ということを聞いています。
3月下旬に各家庭のインターネット接続状況調査、4月上旬に先生方へのZOOM研修、となっています。これは他の自治体でもやろうと思えばやれた時期ではないでしょうか。

先見の明をもって、首長、教育長の強い意志でこれらの取組が行われたことだと想像できます。
その時期は、もちろん「それどころではない」状況だった自治体が殆どでしょう。おそらく熊本市もそれどころではない、と判断することだってできたはずです。ですが、家庭のインターネット状況で、接続できない3割の子どもたちには、学校で使っているLTEモデルのタブレットを持ち帰らせ、接続できる子どもたちには家庭から接続させ、オンラインで学びを深めていくことができたのです。

何が正解かについて後から検証することは非常に楽です。渦中で決断することはとても難しいことです。これを読んでくださっている行政職の方は、「子どもたちのために」どうできるか、ということを判断してもらえる方たちばかりだと思います。結果、あまりうまくいかなかったとしても、子どもたちのためを思って実行してくださったことについては、私は保護者の立場として、感謝申し上げます。

Cの協働学習については学校の壁を越えた学習に注目しましょう。2020年7月現在、各地で「オンライン学校」「学校に行かなくても学び続けることができる学校」について、検討、開始、実施されていますね。N高校の例から考えても、学区という概念は今後維持していく必要がさほどなくなってくる、と考えられるのではないでしょうか。
こういうことを勉強したい、それならそれを実施している他県の○○学校で勉強しよう、という選択をすることができるのだとたくさんの人が気づいたわけです。
地域の人、専門家、地球の裏側に住んでいる人など、インターネットは場所の制約を軽々取り払います。それは近所の学校でも同様だった、というわけですね。

「この学校に」「通う」意味が、ますます問われてきます。学力向上だけなら、きっと通学しなくてもどんどん向上できる子どもたちもいるでしょう。
ですが、そうではない子どもたちももちろんいます。そしてその子どもたちの中でも、通学したほうがより効果的な子どもたち、あるいはオンラインでマンツーマン、あるいはオンラインでそれぞれレベルにあった集団に混じる、ということが効果的な子どもたちがいるかもしれません。
学び方が多様になり、先生という職業の専門性がますます活かされていくわけですね。

手引きをもとに、子どもたちの未来の可能性を広げていきたいものです。

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