外出時の携帯はとても重要な役割を果たします
2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。そして、その後のICTを取り巻く状況の大きな変化に対応して、2020年6月に追補版が発行されました。要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
本日は追補版第4章 聴覚に障害のある児童生徒のICTの活用についてご説明します。
手引きには保有する聴覚を最大限活用するとともに視覚等の他の感覚器官の情報に置き換えて情報を伝達する工夫が必要である、とあります。
あと、気づきにくいことですが、音声情報が入らないので、言語の獲得の困難が生じやすくなっています。そのため、学習の活動内容や進め方にも多様な創意工夫が必要となる、と手引きにもあります。
聴覚障害については、視覚から情報を得ることができるため、情報機器を活用することに意義がある、と以下のように手引きにはあります。
情報機器は視覚からの情報が豊富である特性から,聴覚障害者である児童生徒が自らの生活を充実していく上で有用な機器であり,障害による困難を克服して情報を得たり,コミュニケーションのためのツールとして活用したりすることは大いに意義のあることと言える。
例えば、手話だけではなく、字幕があればもっと授業の理解が進むこともあるでしょう。最近のICT機器は字幕を付けることについて大変やりやすくなっています。
チャイムの音やブザーの音も聞こえづらいことがあるため、代わりにライトが設置されていることも多いのですが、最近はさらにそこに、インフォメーションホワイトボード等で「文字を大きく表示」することも増加していると手引きにはあります。「見える校内放送」としての取組みですね。
携帯電話、スマホ等の情報端末の発達は、文字でやり取りできるため外出中の突然の出来事等もずいぶん対応できるようになった、と聴覚障害を持つ友人たちは口をそろえます。メールでやり取りできるため、待ち合わせ場所への遅刻(!)(あるあるですね)の連絡等に大活躍だということです。
半面、言語獲得が困難である、と最初に述べたように、「言語習得がなされていることを前提とした文字でのコミュニケーション」については慎重に取り扱わないといけません。そういうギャップが起こる可能性がある、ということについて、情報モラル、ICTリテラシーとして特に聴覚障害を持つ児童生徒には伝えておく必要があると言えるでしょう。
次回は、知的障害のある児童生徒のICTの活用についてお送りします。
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