遠隔教育の成功のカギは必要なものを揃えることです
皆さんこんにちは
2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。そして、その後のICTを取り巻く状況の大きな変化に対応して、2020年6月に追補版が発行されました。要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
本日は追補版第7章 遠隔教育に必要な環境についてご説明します。
遠隔教育を実施するために、真っ先に思いつくのは、「マイクとかスピーカーとか、あと映像を映す機械とか」ですよね。ほかにはどうでしょうか。手引きには「人的資源」が挙げられています。そうです。先生は授業を実施されるのですから、機械の面倒を見る人を配置する必要があります。「あー、つながらなかったねー、仕方ないなあ」という環境での遠隔授業はまだまだ実施できそうにありませんね。「これは授業なんだからつながらなかったら困る」という状況でしたら、人的資源の配置は必須だと考えられます。トラブルが起こった時、先生は児童や生徒をどのように授業に参加させるか、に集中するべきで、トラブルの対応や解消は他の人がやる方が効率的ですね。慣れればいい、というお話もあるかもしれませんが、べったり張り付きでなくとも、すぐに駆け付けられる人員がいることは重要です。ご検討ください。
手引きでは、必要となるICT機器について6点あげられています。
1 遠隔会議システム
ビデオ会議システムと、WEB会議システムに大別される、音声と映像などを相手校へ伝えるためのシステムがまず必要ですね。
遠隔教育を行う機関同士は、同じシステムを導入する必要がある、ということが書かれてありますが、現在では「そりゃそうだろう」という反応になると思います。つい半年前までは「zoomの会議をmeetで開けない」というような感覚のお問い合わせも多かったのですが、コロナ禍で状況は一変しました。実際に使ってみる人が増える、というのは大変効果が高いことが改めて実証されましたね。
2 マイク
集音するためのマイクは、確実に集音できるものを、と手引きにあります。集音したうえで、ノイズ除去があると聞きやすいですね。遠隔授業では、映像と音声がずれる、というのが「酔う」状況になりやすいこともあり、ずれずにきちんと伝えられる音声が重要になります。実際に試してみるのが一番いいですね。遠くの離れた声を拾う性能は、マイクによって本当に違います
3 スピーカー
音質、音量について問題がなければ大型提示装置に内蔵されているスピーカーを利用することも考えられる、と手引きにはあります。スピーカーやアンプは高音質のものだと、高額になることもあるので、費用対効果を考える必要もあります。
4 大型提示装置
合同授業型なら、1教室に複数大型提示装置があるほうが良い、と手引きにはありますが、1台しか用意できないことも多いですね。その場合は、映像を切り替えたり、画面を分割したりするという工夫が必要です。なんにせよ、大人数で一度に画面を見る必要があるのであれば、準備は必須です。個別での授業なら特に必要ないかもしれませんね
5 カメラ
映す対象が複数ある場合は、あらかじめ複数のカメラを用意して、切り替えられるようにすると効果的な授業展開が期待できる、とあります。が、切り替えるためには切り替え機が必要ですね。切り替え機がなければ、例えば線をつなぎなおしたり、ソフトでうまく切り替えたりする必要があります。何かを介在させるとリスクは高まるので、慣れないうちから全部やる、という必要はありません。慣れてきて、カメラ複数台あったほうがいいな、と思えるようになったら、チャレンジする、くらいの意気込みでも大丈夫ではないでしょうか。
もちろん、複数台あるほうがわかりやすくいい映像になりますが、無理をするのはいけません。自分でもどうしていいかわからないレベルで、人的資源に丸投げ、というのは避けたいですね。ある程度困難さが予測できる状態で、ここを手伝ってほしい、という明確な意思を持って依頼する方が、良い授業になると思います。
6 情報端末
例えば、児童生徒同士がネットワークを通じてファイルをやり取りしたりしながら、映像と音でやり取りもする、という授業は空間の壁を越えた合同授業になりえますね。ノートを送り合うことは難しくても、テキストファイルを同時編集、というようなことは可能になっています。良い方法を組み合わせて使っていけるといいですね。
機器関連は上記6点ですが、ネットワーク環境にも言及されています。手引きでは1接続当たり1~2Mbpsの帯域を全ての経路において安定して確保できれば、必要最低限の通信品質を維持できると考えられる、とあります。
GIGAスクール構想で、ネットワークは安定したはず、ですが、世の中に絶対ということはありませんので、事前の確認は欠かせませんね。できる限り、合同授業を実施する同じ時間帯、同じ曜日で、確認しておくのがいいでしょう。
次回は、追補版第7章 遠隔教育の推進に資する著作権法改正についてお送りします。
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