GIGAスクール端末の処分時に必要な財産処分手続
国庫補助を受けて調達された物品には処分制限期間(処分するため文部科学大臣に財産処分手続を承認申請し、承認が必要な期間)があり、この期間は文部科学省の発行する「財産処分手続ハンドブック」に記載されています。
今回はGIGAスクール構想により調達した端末の処分制限期間と、どんな場合に処分制限がなくなるのかについて解説させて頂きます。
「財産処分手続ハンドブック」によると、コンピュータは
- 「公立文教施設」に分類され
- 処分制限期間は4年(サーバー用コンピュータは5年)であり
- この年数を経過した場合、財産処分手続の必要は無くなるが
- それ以前に処分(転用、貸与、譲渡、破棄等)する場合には、文部科学大臣に承認申請し、承認される必要がある
と記載されています。
また、処分(転用、貸与、譲渡、廃棄)とは以下のように定義されています。*1
転用:補助対象財産の所有者の変更を伴わない目的外使用。
貸与:補助対象財産の所有者の変更を伴わない使用者の変更。
譲渡:補助対象財産の所有者の変更。
廃棄:補助対象財産の使用を止め、廃棄処分をすること。
つまり、児童生徒用タブレット端末は4年間の保管義務があり、(サーバー用コンピュータは5年)それ以前に処分する場合には、財産処分手続による文部科学大臣の承認が必要という事になります。
また、以下の場合には財産処分手続を行う必要がなくなります
- 処分制限期間を経過した場合
- 補助金等の全部に相当する金額を国庫に納付した場合
- 過去の財産処分手続で処分する部分の残存価格に対する補助金相当額を国庫に納付した場合
財産処分手続をするに当たって、以下の点に注意が必要です。
- 補助事業などにより取得した財産の処分制限期間の起算日は、翌年度4月1日からとなります。(令和2年度に調達が完了した場合、起算日は令和3年度4月1日になります)
- 財産処分手続は法令上処分前に行う必要があり、十分な時間的余裕をもって承認申請書を提出していただく必要があります。提出時期の目安としては、3カ月前が目安となりますが、年度末・年度当初は申請が重なり、通常以上に審査に時間を要するため計画的な申請が必要です。提出期限を過ぎた場合は、任意様式にて「顛末書」等を作成し、押印の上、提出が必要になります。
これから端末を調達される自治体様も多く、端末の処分はまだまだ先のことであると思いますが、その際に、そういえば端末の処分には財産処分手続が必要だった、と思い出していただく一助となることが出来れば幸いに思います。
<参考文献>
文部科学省 安全・安心な学校づくり交付金(地上デジタル放送に対応するためのアンテナ等整備事業、校内LANの新設事業)及び公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金に係る財産処分の承認等について(通知)(最終閲覧日2020年10月29日)
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