私の会社とSDGs
前回の岩手県に続いて今回は、宮城県の企業SDGsの取り組みです。宮城県の企業では、復興に関連したSDGsの取り組みが多くありました。今回はその一部をご紹介していきたいと思います。
復興もSDGsも
伝統を守り、将来に繋げていくために雇用を確保した雄勝硯(おがつすずり)生産販売協同組合。*¹ここでは、石巻市雄勝町(おがつちょう)産の雄勝石(おがついし)からできた600年以上の伝統工芸品「雄勝硯」を作って販売しています。ですが、東日本大震災時に、産地が破滅的被害にあったそうです。
被害にあった後、歴史を途絶えさせないという思いで、6500人もののボランティアの方に協力してもらいながら、がれきの中から原材料、硯、工芸品を回収し修復していき、たった半年で仮設工場や仮設事務所・工房を開所させました。その後は、いしのまき復興マラソンにメダルを提供、雄勝石を使ったお皿も好評だそうです。
これは、復興への強い思いや協力してくれた方々への感謝、歴史を守ろうという気持ちがあってできたことだと思います。
震災後も守ってきた伝統工芸品を未来へと繋ぐために、新たに人材を増やすことにも力を入れているそうです。これは、SDGsの8番(働きがいも経済成長も)に貢献しています。
SDGsと言えば、より良くすることや、新しいことに注目してしまいがちですが、伝統を守り、次世代へと受け継いでいくことにも着目していきたいです。なにより、人の思いの大切さを感じます。
中小企業だからこそ
中小企業の柔軟性と他社との連動性を活かした企業があります。それが、ヤグチ電子工業株式会社*²です。
電子部品・デバイス・電子回路製造業を行っていましたが、東日本大震災で取引先が被災し、受注量が半減したそうです。
ヤグチ電子工業では、東日本大震災をきっかけに初めて世界初のスマホ接続型の放射線センサ「ポケットガイガー」という自社製品を開発し、販売時は30分で売り切れるほどヒットしました。その後、大学と共同で医療機器も開発し、ものづくり大賞を受賞しました。このような事業がきっかけで700人越えの外部人的ネットワークが作られ、あらゆる可能性が生まれているそうです。これは、SDGsの17番(パートナーシップで目標を達成しよう)に貢献しています。
稟議を通すだけでも時間がかかる大手企業に対して、ヤグチ電子工業では、試作品の完成までを数日でこなすこともあるそうです。これは、中小企業という柔軟性や他社との連動性を活かした強みだと感じます。その強みを活かすことで、他社との協力が広がり、可能性を広げていけるんだなと思います。
今回ご紹介したように、宮城県では東日本大震災の被災後、困難を乗り越えるとともに、伝統を守ったり、可能性を広げたりしながらもSDGsにも貢献している組合、企業があります。復興は簡単なことではないと思います。それでも、なんとかしようという強い思いが、自然とSDGsにも繋がったのではないでしょうか。
宮城県に限らずですが、SDGsの形は様々です。
自分にできることを自分にできる範囲で頑張っていけたらいいなと思います。一緒に頑張りましょう!
|参考・引用|
*¹ 雄勝硯生産協同組合
https://www.ogatsu-suzuri.jp/
*² ヤグチ電子工業株式会社
https://www.yaguchidenshi.jp/
復興庁 2030の東北を目指して
https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat4/sub-cat4-1/2019/2019-20_hukkou-jireishu30_10_sdgs.pdf
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