令和の日本型教育とは25
「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。
この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。
本日は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」(3)義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方を読んでいきます。
今回のこの答申で、世の中がびっくりした一つに「小学校高学年からの教科担任制の導入」があります。義務教育9年間を見通した教育課程を支える指導体制の構築が必要だということについては、どなたも異論はないでしょう。それをうまく実現するため、「令和4年度をめどに」小学校高学年からの教科担任制を本格的に導入する必要がある、と述べています。
どの教科で実施するのか、学校規模、地理的条件等の違いも踏まえて効果的な指導体制の在り方を検討する必要がある、とあります。
答申では外国語、理科、算数を対象とすることが考えられます、とあります。
教科担任制のメリットとしては、
- 系統的な指導による中学校への円滑な接続が図れる
- 教科指導の専門性を持った教師によるきめ細かな指導を可能とする
- 授業の質の向上を図れる
- 理解度、定着度の向上と学びの高度化を図れる
- 教員の持ち込ます宇野軽減や授業準備の効率化により、教育活動の充実や負担軽減に資する
ということが挙げられています。いいことずくめのようですね!
令和4年度予算要求にも「新しい時代の学びの環境整備(義務教育費国庫負担金)~小学校における高学年の教科担任制の推進と35人学級の計画的な整備~」として総額1兆5147億円が計上されています。ものすごい金額ですが、前年比マイナス17億円です。
義務教育国庫負担金の中で、「小学校高学年における教科担任制の推進」については、2000人の定員改善予算が含まれています。(優先的に専科指導の対象とすべき教科) 外国語、理科、算数、体育という注釈付きです。
全国2万校以上ある小学校に2000人の定員改善というのがどういうことなのか、ということは難しい問題ですね。学校間の調整もとても難しいことになるでしょう。自治体内でやりくりするにも、各学校に満遍なく上記4教科の先生がいらっしゃるか等も難しい問題だと思います。
次回は第2部各論の3「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方」について読んでいきます。
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