令和の日本型教育とは35
皆さんこんにちは。
「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。
この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。
本日は第4部「新時代の特別支援教育の在り方について」各論の2「障害のある子供の学びの場の整備・連携強化」の続きを読んでいきます。
特別支援学校の教育環境の改善について、答申では「国として備えるべき施設等を定めた設置基準を策定」とあります。「在籍者の増加に伴う教室不足の解消に向けて、新築や増築を行ったり、他の学校の余裕教室を特別支援学校の教室として確保したりする等の集中的な施設整備の取り組み」を推進することが求められるとあります。
つまり、現状では「特別支援学校の先生方が、児童生徒に必要だと思われる環境を頑張って整備していた」「そもそも教室が足りない」等の大きな課題を抱えていることがわかりますね。
そこで、2021年9月、特別支援学校設置基準の公布等について(通知)https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/mext_00038.html が文部科学省から出されました。設置基準があれば、予算は付けやすくなり、子どもたちに必要なものをきちんと用意できる環境が整えられます。
他にも課題として、「幼児教育段階、高等学校教育段階における特別支援教育を推進するためのセンター的機能充実」や、「知的障碍者である児童生徒に対する各教科等の在り方についての検討(学習者用デジタル教科書の在り方に係るものも含む)」をはじめ、「寄宿舎は引き続きその機能の維持に努めるべき」「福祉避難所となることも想定される特別支援学校」としての機能もあるため、「地方公共団体が人材の確保や備蓄等についても必要な支援を行うことを検討する必要」があり、「避難所としての観点からもバリアフリー化は重要」と述べています。
特別支援学校では、個々の障害を視野に入れた環境整備が今後加速するといいなと思います。
続いて、高等学校における学びの場の充実が謳われています。小中学校に比べて、高等学校の学びの場の充実は遅れがちだったということですが、答申では「適切な指導につなげる」ことが重要であると述べています。現場の知識が不十分な可能性があることも踏まえたうえで、「前項の教職員及び生徒の特別支援教育に関する理解を促す取り組み」も重要であると述べています。
特に、発達障害等のある生徒の中には、本人や保護者が障害の可能性に気が付いていない場合もある、ということを述べて、支援体制の構築の重要性を伝えています。
特別支援学校と高等学校が、連携を強化することで、通級による指導をより適切なものとし、個々の生徒が満足する環境で学べるよう、私たちもご支援していきます。
次回は第4部「新時代の特別支援教育の在り方について」各論の3特別支援教育を担う教師の専門性向上を読んでいきます。
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