教育ICTガイドブックのご紹介その8 岐阜市と柏市。中核市の注目すべき取り組みについて
皆さんこんにちは。
総務省先導的教育システム実証事業 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/sendou.htmlに公開された、「教育ICTガイドブックver1」(リンク先PDF:約22MB) http://www.soumu.go.jp/main_content/000492552.pdfの内容をご一緒に確認させて頂きたいと思います。
この資料は、40の事例の「事例編」と、クラウドのすゝめである「手順編」で構成されています。
事例は丁寧に書かれており、とても参考となるものばかりですので、どうぞお付き合いください。
事例8つめは、「中核市レベルで初めて国の目標を上回る教育用コンピュータ整備を達成」(岐阜市教育委員会http://www.city.gifu.lg.jp/3040.htm 岐阜県岐阜市)、10番目は「体系的なカリキュラムと学校・家庭・地域との連携によるプログラミング教育」(柏市教育委員会http://www.city.kashiwa.lg.jp/kashiwa_boe/ 千葉県柏市)です。
今回は中核市2つの事例を取り上げます。9つ目の土庄小学校は、小規模学校・地域ということで、11番目の上峰町教育委員会と一緒に来週ご紹介させて頂きます。
岐阜市は8月1日に平成29年度の教育方針をホームページで公開していますが、冒頭に「グローバル社会、ICT社会にあって、覚えた知識の量で推し量る従来型の学力から、ICTを道具として自由に使いこなし、世界の最先端の情報にアクセスし、外国人とも論議できる思考力・判断力・表現力に重きが置かれる21世紀型能力への転換が求められています」http://www.city.gifu.lg.jp/secure/28742/shishin.pdf と、ICTの活用を非常に重要視しています。
中核市として国の目標「3.6人に1台」を上回る「3.4人に1台」の教育用コンピュータ整備を達成しました。
2014年度のモデル校の運用実績を踏まえて2016年に達成したとあります。
Wi-fiモデルのタブレットの整備ということで、可搬型のアクセスポイントを各校に導入したということです。可搬型に関しては賛否両論ありますが、まずは手に入る範囲で運用開始という判断を岐阜市はしたということですね。タブレットを活用した授業は子どもたちの90%以上が「楽しい、わかりやすい」とアンケートに回答しており、授業にもいい影響が出ている状態です。
そのための研修は3段階。
中心教員→各校1名の情報主任→全教員
と段階を踏んで全教員に研修を行うことで、活用の促進が図られています。
現場の教員に簡単に行う研修だけでなく、伝達研修だけでもない、丁寧な研修に、市教委の力の入れ具合がわかりますね。
2016年度から民間企業とタッグを組んで学習データやタブレットの稼働率、生徒それぞれの取り組み状況などを分析するとともに、教員による働きかけの効果の数値化も行われるということで、この分析資料の公開がとても楽しみです。
柏市の取り組みは、中核市の中でも昔から有名ですね。
特にプログラミング教育に関しては各種メディアでも数多く取り上げられました。ガイドブックにもプログラミング教育が連携して行われていると紹介されています。
http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/270100/p038654.html
このページに詳しく出ている通り、ICT支援員を徹底的に活用し、
指導主事ら教委の担当者がICT支援員を教育する → ICT支援員が各校で教員に研修する、T2として授業に入る
という流れができていたため、プログラミング教育に関しても同様のスタイルで、今年度から4年生の「プログラミング」が実施されています。
1学期にすべての学校をICT支援員が訪問したということで、ますます連携が取れたICT活用が行われています。
カリキュラムを作成し、系統立ててICT支援員がICT活用を支援し、T2として先生方も積極的に受け入れている状態のため、「平成27年度教育の情報化の実態等に関する調査」http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001077178&cycode=0 では「授業中にICTを活用して指導できる」が89.2%と全国平均(73.5%)を大幅に上回る驚異的な数字をたたき出しています。(公表されている資料には市町村毎の数字は載っていません)
柏市のICT支援員にお会いしたことがありますが、非常に熱心でとても良く勉強されているな、とお話ししながら思いました。
うまく連携して、柏市の子どもたちのよりよい教育に貢献するその手法を私はぜひとも知りたく、次にお会いしてお話を聞く機会を待ち遠しく思っています。
皆さんの自治体も一歩を踏み出すために、何をどうしたらよいか、というところからご支援させていただければと思います。ご遠慮なくお問合せください。
次回も事例のご紹介を続けていきます。
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教育の情報化に貢献し,豊かな会社と社会を作ります。
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