-校務支援システムの導入を考える 校務支援システムとヘルプデスク-
こんにちは、支援員Sです。秋が深まり、冬が近づいている感じがします。中学校の先生におかれましては、中学校3年生の調査書の作成などが始まっている頃と思います。進路担当の先生は毎年度代わられることが多く、進路関係の成績処理や帳票作成はどうしたらよいかわからなくなってしまうことがあります。そんなときにヘルプデスク(校務支援システムのコールセンター)へ問い合わせができると便利ですよね。
さて、今回は校務支援システムとヘルプデスクについてお話ししたいと思います。
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校務支援システムの導入と一緒に検討したいのが、メーカー等のヘルプデスク(サポート)です。校務支援システムのことで困ったことがあれば、ヘルプデスクへ問い合わせることができるととても便利です。しかし、校務支援システムの円滑な運用はヘルプデスクだけでは成り立ちません。ヘルプデスクと自治体様の役割分担や連携が円滑運用の大きなカギとなります。今回は3つのことをご紹介します。
【ヘルプデスクの問い合わせ受付手段】
文部科学省が出している「統合型校務支援システム導入のための手引き(第3章~第5章)にも記載されていますが、ヘルプデスクの活用を検討する際に、「受付時間」、「対応基準」を明確にしておく必要があります。これに加えて、「問い合わせ受付手段」も加えるとよりよいでしょう。例えば、「電話」、「メール」、「FAX」などです。特にメールは、問い合わせ手段として活用できるか確認するとよいです。「電話」のみとなると、電話口で先生を拘束してしまい、学校様の電話回線を占領してしまうことがあります。また、「電話」は心理的ハードルが高いという方もいらっしゃると思います。電話は苦手だけど、メールなら…という方も多いのではないでしょうか。また、対応時間外でも、「とりあえず先んじてメールで問い合わせをしておく」と、少なくとも翌日にメールもしくは電話でヘルプデスクから一次回答があるので便利です。
【教育委員会様とヘルプデスクの連携】
校務支援システムのヘルプデスクの対応者は、校務の基本的な知識、自社の校務支援システムの挙動、操作について精通していますが、実はそれだけでは対応が難しいこともあります。それは各自治体様において、帳票の記載規則や様式が異なることが少なくなく、それによって運用ルールも様々だからです。ヘルプデスクはあくまで校務支援システムの操作方法しかご回答できません。先生の疑問にお答えしていると、最終的に「運用上の問題」であることがあります。その場合、ヘルプデスクが学校様にどのようにご回答するか取り決めをしておく必要があります。
<よくある例>
- ◆運用面については校内で確認の上、教育委員会様へ連絡いただくよう案内
- ◆教育委員会様で運用に関する資料を発行しており、資料を確認いただくよう案内
- ◆校務支援部会のとりまとめ役となっている○○中(小)学校の□□先生へ確認いただくよう案内
また、自治体様の運用ルールについては、別途、ヘルプデスクと共有する場(手段)を設けておくとよいでしょう。ヘルプデスクが対応する際に先生の操作手順を具体的に想像しながら対応できたり、ヒアリングの質が向上したりするため、自治体様、ヘルプデスクの双方にとってメリットがあります。
【ヘルプデスクの稼働状況の確認】
自治体様がヘルプデスクのサービスレベルを定期的にチェックする必要があります。例えば、放棄呼率(電話回線が混みあっていて、繋がらなかった件数)の確認です。問い合わせ件数と放棄呼率を比較し、あまりにも放棄呼率が高い場合は、ヘルプデスクの対応に何かしらの問題がある可能性があります。その場合は対応改善を要求することが必要です。その他にも、問い合わせ1件に対しての対応時間や対応速度、解決率が適切かなど、各自治体様のニーズに合ったサービスレベルのチェックを定期的に行うことをお勧めします。ご契約の際にはこれらの報告を求める仕様書にしていただくといいと思います。
ヘルプデスクの質ではなく、単純に問い合わせの集中が原因という場合もあります。若干の違いはあるものの、全国的に先生の空き時間は似たり寄ったりです。ですので、校務支援システムのことでヘルプデスクへご連絡いただく時間帯は、先生方の授業がない時間、昼休み、授業後などが多くなります。そのため、ヘルプデスクへ問い合わせるタイミングが重なり、回線が混みあうケースが見受けられます。特に成績処理時期は「ヘルプデスクへ電話をかけたのに繋がらない」というお声を多く耳にします。電話が集中する時間帯などを明確にし、あらかじめ周知することで、「メールで問い合わせよう」、「少し電話の時間をずらそう」など、少しの工夫で「繋がらない」ストレスを減らすことも可能となるでしょう。
長くなってきましたね、読むのが疲れたころかと思います。第8回目のお話しはここまでとしましょう。次回の第9回目では、「校務支援システムを導入したら、教育委員会様の担当部署の電話が鳴りやまない…助けて!」をお届けしようと思います(なお、表題は思いつきなので、変更となる場合があります。ご承知おきくださいませ)。
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このような形で今後も月1回お届けしようと思います。行政職の皆さまには校務支援システムの導入と活用の様子について知っていただくきっかけになればと思っております。ご意見、ご質問等をどうぞよろしくお願いいたします。
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株式会社ハイパーブレインです。
教育の情報化に貢献し,豊かな会社と社会を作ります。
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