情報活用能力を育てるためのICT機器の準備はぜひICT支援員に
皆さんこんにちは
2017年12月に公開された「ICT支援員の育成・確保のための調査研究事業 成果報告書」http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1398432.htm についてご説明をさせていただきます。今回は特に支援員の育成についても少し触れています。
この事業は、ICT支援員に求められる資質・能力を「スキル標準」として明確にし、一定の資質・能力を備えたICT支援員を育成するための「育成モデルプログラム」を開発することにより、ICT支援員の育成・確保(不足の解消)を図ることを目的の1つとして行われました。
本日は第2章 ICT支援員を取り巻く環境の変化 ~これまでの議論と関連動向~2-4「次期学習指導要領がICT支援員の役割にもたらす環境の変化」2-5「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会における最終まとめ」 をご説明させていただきます
まず、次期学習指導要領ですが、学習指導要領史上初めて「情報活用能力」が重要であると謳われていますね。国の教育改革として、学校のICT環境ができれば頑張って整備して教えるもの、から大きく転換されていることがわかります。
小学校からプログラミング教育が導入されること、高校や大学の入試にコンピュータを用いた試験が導入される予定があることなど、一人1台の情報端末の整備を進めていく方向付けができてきています。
一人1台ということは大規模な小学校なら1000台以上の端末が導入されるということで、それの管理を先生が行う、というのはほぼ不可能です。
管理というのは数を数えてあるから安心、ではなく授業で使えるように状態を保つことが重要です。台数だけそろえてもいざ使おうというときに充電切れだったりデスクトップ画面がまちまちだったりすれば授業で使うのは難しいですね。ですので、そのあたりが良く分かっている学校のことを理解した技術者、つまりICT支援員が全国的に必要になってくるということです。
とはいえ、2020年からは外国語や道徳等先生方が対応しなければならない課題は目白押しです。
いきなりそれもこれもどれも全部、というのはなかなか難しいところですので、平成28年7月に2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会ではICT環境整備目標について以下のようなステップが示されました。
「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」最終まとめ (PDF:2563KB)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/07/1375100.htm P48より引用
早急にStage3の環境整備を進めることが必要であるとしています。
併せてその議論を基に、「教育の情報化加速化プラン」が提示されました。
HBI通信でも詳しくお伝えした通りですが、特に「教員の指導力の向上や地方公共団体・学校における推進体制」の項目では、教員のICT活用指導能力の向上、推進体制の整備に向けて取り組むことの重要性が提言されているとあります。
その通りで、先生方が自分で使える段階ではなく、子供たちに使わせ、子供たちの情報活用能力を向上させていくことが重要だ、と言っているわけです。
これは先生方個人の努力だけでどうにかできるレベルを超えた話です。
だから、チーム学校として様々な分野の専門家が先生を支え、ご一緒により良い教育を目指していく必要があるわけですね。
ICT支援員はそれをわかったうえで、先生が授業をしやすいように「気の利いた」支援を行う能力が求められています。
そしてそれはICT支援員個人の資質に頼っていてはいけません。たまたまわかる人がいて、その人を採用できた、ラッキー、では取り組みは継続しないのです。
そのため、SEが実行したほうが良いこと、導入業者が実行したほうが良いこと、先生の本来の業務、ICT支援員が行うのが最も効率が良いこと、をこの成果報告書では定義づけを行っています。
後ほどご紹介することになりますが、それを踏まえたうえでのICT支援員の養成、配置が急務となっています。
次回は第3章についてご説明させていただきます。
ICT支援員についての皆さまの様々なご意見、ご質問を是非ともお聞かせください。議論を重ねて、よりよいICT支援を行っていきたいと思っております。
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株式会社ハイパーブレインです。
教育の情報化に貢献し,豊かな会社と社会を作ります。
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