教育ICTガイドブックのご紹介その3 東京都渋谷区、この夏大注目のタブレット導入です

皆さんこんにちは。
総務省先導的教育システム実証事業 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/sendou.htmlに公開された、「教育ICTガイドブックver1」(リンク先PDF:約22MB) http://www.soumu.go.jp/main_content/000492552.pdfの内容をご一緒に確認させて頂きたいと思います。

一気に駆け上がるイメージ

この資料は、40の事例の「事例編」と、クラウドのすゝめである「手順編」で構成されています。
事例は丁寧に書かれており、とても参考となるものばかりですので、どうぞお付き合いください。

事例2つめは、「セルラーモデルタブレットとクラウドでICT化を一気に推進」(東京都渋谷区 渋谷区教育委員会https://www.city.shibuya.tokyo.jp/edu/torikumi/ict.html)です。今からご説明する内容はこちらのページにてすでに取り上げられています

 渋谷区は先週ご紹介した新地町の歩みとはまた違って、ICT化がどんどん進んでいる地区です。
 使っているタブレットもセルラーモデル(携帯電話の電波とwi-fi双方利用できるモデル)であり、家に持ち変える際もタブレット1つです。
Wi-fiモデルだとしっかりとした調査・設計の元無線LANアクセスポイントを取り付け・設定を行う必要があり、その整備費用とセルラーモデルにした場合のコスト上昇分、また学校以外で利用する場合のハード整備の費用を考えて、渋谷区はセルラーモデルを選んだというわけですね。

 利用する教材等もクラウドでシングルサインオンの環境が実現されています。
モデル校での実証実験で非常に効果を感じて、今年9月より全小中学校の児童生徒8600台のセルラーモデルタブレットを配布するとのことで、この組み合わせは渋谷区の教育方針と非常に合っていたのだなという印象を受けました。
 2017年度予算にはICT環境整備に対して7億8200万円を計上、という力の入れようです。
区長が、他地区と比べて遅れているといわれていたICT環境を、次期学習指導要領を見据えて直ちに準備する、という強い意志がみえますね。

 区長のリーダーシップのもと「未来への投資」という教育環境への投資が区議会にも承認されたということで、冒頭でご紹介した渋谷区のサイトでは保護者や区民向けの 渋谷区ICT教育システム「渋谷区モデル」導入についてhttps://www.city.shibuya.tokyo.jp/edu/torikumi/pdf/icthuzokusiryo.pdf という資料で丁寧に説明されています。
 顔認証でログイン、そしてシングルサインオンとのことですので、子どもたちのタブレットの使い勝手は非常にスムーズだと考えられます。
特筆すべきは資料14枚目の実証実験を行った先行モデル校での学力の数値です。目に見えた効果が出ています。
目に見えた結果
渋谷区ICT教育システム「渋谷区モデル」導入についてhttps://www.city.shibuya.tokyo.jp/edu/torikumi/pdf/icthuzokusiryo.pdf 14枚目より引用
AB層が約2倍、テストが20点アップ、という結果が短期間で出たということはとてもすごいことですね。

 ただそうは言っても保護者の立場としては心配も尽きませんから、安全・安心な環境についても説明がなされています。
紛失時もどうしたらよいかという案内があったうえで、注意事項として 3年後にリース返却するので大切に扱うこと、貸与された児童生徒以外の利用は控えること、海外へはもっていかないことを依頼しています。

 モデル校で非常に効果があった「いつでもどこでもつながる安心」「クラウド上のサービスを簡単に利用」「そのため児童生徒が使いやすく、活用しやすく、その結果学力が上がった」という結果を、区内全域に広げられるかどうか、まさに今これから正念場というところですね。
 この取り組みについては日本各地から注目されていますので、どうなったか、という結果についても注目していきたいところです。

 現在の保護者の意見は残念ながら見つけることができませんでしたが、おそらく全員が大賛成!というわけではないはずです。それが今後どのように変化していくのか、子どもたちの深い学びにつながっていくのか、大いに興味があります。

 皆さんの自治体も一歩を踏み出すために、何をどうしたらよいか、というところからご支援させていただければと思います。ご遠慮なくお問合せください。

 次回も事例のご紹介を続けていきます。

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