情報活用能力の育成に関するカリキュラムマネジメントという今欲しい情報がまとまっています
皆さんこんにちは
今回でこのHBI通信も第100回を迎えます。ここまで続けてこられたのは、読んでいただける皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。
今回からは「次世代の教育情報化推進事業「情報教育の推進等に関する調査研究」成果報告書」http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1400796.htm の1つである
情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン-平成29年度 情報教育推進校(IE-School)の取組より-http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/11/1400884_1_1.pdf についてご説明させていただきます。
本日は 第1章 次世代の教育情報化推進事業 情報教育推進校(IE-School)の概要と本書の構成についてご説明をさせていただきます。
まず、この「次世代の教育情報化推進事業」の「情報教育推進校(IE-School)の概要」ですが、前提として急速に情報化が進展している社会、という理解が必要です。
それについてはおそらく皆さん実感されている通りではないかなと思います。
ですので、この社会では情報や情報手段を主体的に選択し、活用していくために必要な「情報活用能力」を、各学校段階、各教科等の学習活動を通じて体系的に育成する重要性がますます高まっている、とあります。
これも皆さんの実感に即しているところではないでしょうか。
では、それらを実現していくためにどうすればよいか、というところは実行主体によってよりどころが変わりますね。社会が変わっているのですから、社会全体でそのような能力を伸ばしていかなければならないところまで来ているのかもしれません。ただ、そうなると取り扱う範囲が広すぎて一つの報告書にまとめるのは難しくなってしまいます。
この文書では特に学校が実現していくために、「学習指導要領」が改訂され、情報活用能力を学習の基盤となる資質・能力と位置付けた、とあります。
そこで文科省では2つの事業で、情報活用能力の育成を図り、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行っていくための研究を行い、全国に事例を共有するためにまとめたものを公開してくれています。
1 「児童生徒にはぐくむ情報活用能力を体系的に明確化し、教科等横断的な情報活用能力の育成にかかるカリキュラム・マネジメントの在り方等について各推進校における取り組みを基に、全国の学校、地域の参考となるよう整理」→情報教育推進校(IE-School)の実践
2 「ICTを活用した主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善や個に応じた指導等、各教科等におけるICTを活用した指導方法の開発に関する実践的な研究」→ICT活用推進校(ICT-school)の実践
ということで、今回ご説明させていただくのは1の実践のとりまとめである本書になります。
IE-school事業における具体的な取り組みは以下の2点ということです。
- 1 資質・能力の「三つの柱」を踏まえた、児童生徒にはぐくむ情報活用能力の整理
- 2 教科等横断的な情報活用能力の育成にかかるカリキュラム・マネジメントの工夫等の整理
この研究を進めるために、合計で21団体が指定されました。
小学校から高校まで幅広い校種の学校が選ばれています。
委員は合計15人。学識経験者で構成されています。現場で実践を行うのはそれぞれの学校の先生で、まとめたり考察したりするのが大学の先生という役割分担がされているようですね。
アカデミックな視点での分析が現場に還元されるのはとても良いことですので、この文書を読んでいくのがわくわくします。
本書の構成としては
各学校が教科等横断的な情報活用能力の育成を行う際の参考となるよう、実践的な研究を整理した
とあります。
それぞれの章でどのようなことが書かれているかについては以下の通りです。
1章
1 本事業全体の事業概要(ICT-School含む)や、IE-School事業概要及びIESchool、企画検証委員等を紹介する。
2 本書に掲載されている内容とその掲載ページについて紹介する。
2章
1 これまでの情報活用能力の変遷や、新学習指導要領での情報活用能力について紹介する。
2 IE-Schoolの取組を整理して作成した、情報活用能力の具体的な内容の段階的な育成について紹介する。
3 IE-Schoolの取組を整理して作成した、情報活用能力と学習内容の結び付きについて紹介する。
3章
1 情報活用能力におけるカリキュラム・マネジメントの視点について紹介する。
2 カリキュラム・マネジメントの必要性やカリキュラム・マネジメントの手順の一例について紹介する。
3 IE-Schoolの取組を整理して作成した、情報活用能力におけるカリキュラム・マネジメントのモデルについて紹介する。
4 IE-Schoolが実践した情報活用能力におけるカリキュラム・マネジメントのポイントとなる取組について紹介する。
5 情報活用能力育成における学校の取組のセルフチェック項目を紹介する。
6 IE-Schoolのカリキュラム・マネジメントの取組評価の結果を紹介する。
以上が第1章のご紹介になります。
来週は第2章のご紹介をさせていただきたいと思います。
先進的な取り組みの内容が、全国に共有されるというのは本当にいいことですね。取り組む際のハードルがぐっと低くなりますし、イメージがわいて、考えなければならないことの輪郭が見えやすくなるように思います。
何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。
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