教育の情報化ビジョン 3本柱の1つ、「情報教育」
皆様こんにちは。先回お話ししました通り本日は「教育の情報化ビジョン」の3本柱
・情報教育
・教科指導における情報通信技術の活用
・校務の情報化
についてお話しします。
簡単に言えば
柱 | 主たる対象 | 内容概略 |
---|---|---|
情報教育 | 子どもたち | 情報活用能力の育成 |
教科指導における情報通信技術の活用 | 先生・子どもたち | わかりやすく深まる授業の実現 |
校務の情報化 | 先生 | 情報共有によるきめ細かな指導・校務負担減少 |
と言えると思います。子どもたち、先生両方が情報化の恩恵を受け、活用能力を向上していきましょう、というスタンスですね。
それではそれぞれの柱についてご説明させてください。
「情報教育」は平成23年4月に全面実施された現行の学習指導要領内でも各所で取り上げられていますが、教育の情報化ビジョンで重視されているのは現場への浸透です。(学習指導要領とは、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程と呼ばれるカリキュラムを作成する際の基準を定めたものです)
・各学校段階において期待される情報活用能力やこれを身に着けさせるための指導事例等について学校現場へ一層周知
・学校現場で展開された好事例の収集・提供
とあるように、学習指導要領の円滑で確実な実施のために、「こんな風にICTを活用していますよ」という事例を広めよう、という姿勢が書かれています。
あわせて
・子どもたちへの情報モラル教育の充実
も掲げられています。
つまり、先回も申し上げました通り、21世紀においてICTで情報を活用する能力というのは生きるために必要な力であり、それを育てるために、全国の教員で情報を共有していきましょう、というビジョンが示されているわけですね。
今の校長先生が初任者だったころ、コンピューターといえば高嶺の花で、コンピューター同士の通信は「実名でやり取りしましょう」なんて言われていた頃です。ICTは校長先生が教員になられてからたった30年程度で長足の進歩を遂げました。ICT教育黎明期から頑張ってこられたたくさんの先生方の英知を、ICTの技術で共有していけるなんてすばらしい世界ですよね。
情報モラルに関しても同様で、新しい技術が次から次へと出てきます。対処療法も必要ですが、根本的なところ、いかに子どもたちにわからせるか、ということを一人一人の先生が一から全部考える必要はなく、よい事例を共有し、効果的な指導を行いましょう、と言っているわけです。
実際の好事例については文科省から毎年各教育委員会宛に「ICT活用ステップアップ映像集」が送付されています。様々な工夫がされた素晴らしい授業がたくさん紹介されていますので、行政職の皆様もぜひ機会を見つけてごらんになっていただければと思います。例えば「タブレットの具体的活用方法」が実際の授業を通して映像で見られるので、導入や検討の際のお役に立つはずです。
長くなってしまいましたので、次回は3本柱の2本目、教科指導における情報通信技術の活用についてお話しします。
投稿者プロフィール
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株式会社ハイパーブレインの取締役教育DX推進部長 広報室長です。
教育情報化コーディネータ1級
愛知教育大学非常勤講師です。専門はICT支援員の研究です。
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