教育振興基本計画20
皆さんこんにちは。
令和5年6月、新たな教育振興基本計画が閣議決定されました。
そもそも教育振興基本計画とは、「教育基本法(平成18年法律第120号)に示された理念の実現と、我が国の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため、同法第17条第1項に基づき政府として策定する計画です。」と説明にある通り、政府が教育をどのようにしていくか、という施策のもとになるものです。
特に行政職の皆様はしっかりコンセプトや計画を確認して、ご自分の自治体の施策にご活用いただければと思います。なぜなら、予算が通りやすいからです。自治体独自の施策を実施しようとしたときに、「教育振興基本計画のこの部分に則っています」という説明は大変有効ではないでしょうか。
本文のボリュームも多く、新しい言葉も次々出てきますが、ゆっくりご一緒に確認していきましょう。
Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策
(目標、基本施策及び指標)
目標3 健やかな体の育成、スポーツを通じた豊かな心身の育成
心の育成の次には、身体の育成の目標がきています。健康であることは、それだけで財産ですね。学校教育がそれに寄与するためにはどのような目標や指標を立てるかということはとても大切です。
計画で述べられているのは以下の通りです。
- 学校保健、学校給食・食育の充実
- 生活習慣の確立、学校体育の充実・高度化
- 運動部活動改革の推進と身近な地域における子供のスポーツ環境の整備充実
- アスリートの発掘・育成支援
- 体育・スポーツ施設の整備充実
- スポーツ実施者の安全・安心の確保
- スポーツを通じた健康増進
- スポーツを通じた共生社会の実現・障害者スポーツの振興
学校給食制度はとても素晴らしいものだと思います。維持をするために様々な努力がされていますが、食べることで栄養をきちんと取るということについて、給食から学べることは非常に大きいと思います。一食数百円(多くの場合500円以下)で栄養バランスの取れた献立を食べられる機会はそうありません。
アスリートの発掘・育成支援が入っているのはオリンピックの影響ではないかと感じます。スポーツを盛んにするには、そのスポーツをやる人口を増やす必要があり、そのためには「アスリートの活躍」というのは大きな影響があります。スポーツ人口が増えれば健康な肉体を維持するきっかけも増えます。
人類は狩猟採集の生活から、身体を動かさなくても生きていける生活になりましたが、身体を動かすことは、健康に寄与するということは各所で述べられています。
心の育成とともに、身体の育成もとても大切なことだという認識が広まっています。
指標は以下の5つが挙げられています。
- 朝食を欠食する児童生徒の割合の減少
- 毎日、同じくらいの時刻に寝ている、毎日、同じくらいの時刻に起きている児童生徒の割合の増加
- 1週間の総運動時間(体育授業を除く。)が 60 分未満の児童生徒の割合の減少
- 卒業後にもスポーツをしたいと「思う」「やや思う」児童生徒の割合の増加
- 成人障害者のスポーツ実施率の向上
上から2番目の内容は、私もポケモンスリープで報酬がもらえるので「それはいいことなんだ」と理解したクチですが、指標化することでそれを達成するといいことがある、とわかるのもいいことですね。
来週は教育振興基本計画Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策の(目標、基本施策及び指標)の続きを読んでいきます。
投稿者プロフィール
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株式会社ハイパーブレインの取締役教育DX推進部長 広報室長です。
教育情報化コーディネータ1級
愛知教育大学非常勤講師です。専門はICT支援員の研究です。
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