校務支援システムを導入する計画策定は重要です

皆さんこんにちは

働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
計画策定のイメージ

今回は第5章3 計画策定 についてご説明させていただきます。

 何事も、きちんと計画を立て、それをアウトプットして関係者が全員同じ計画を頭の中に持っておきつつ議論をしないと、進むものも進みませんね。「え、この機能の回答は来月までじゃなかったの」ということが起きると、共同調達という性格上、計画が頓挫しかねる事態になりかねません。
 そのため、推進組織、体制の整備については手引きでも強調されています。
 先行事例では、企画構想段階の検討体制を引き継ぎながら、メンバーを増員して体制を強化している自治体もあるとのことです。
 様々な組織構成が考えられますが、手引きでは「参加自治体での協議・合意形成を行う組織」「推進組織(事務局)」「学校現場の要求収集・とりまとめを行う組織」が必要とあります。参加自治体全体の意見が反映される体制にすることも大事だとあります。共同で行うのですからどこかに丸投げはおかしいですし、どこかが強引に自分の要求を押し通すもダメですね。組織的にお互い譲りつつ、譲れないところを尊重しつつ、進めていければいいと思います。
 推進組織、体制の例が手引きには掲載されています。
推進組織・体制の例

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P90から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

具体的事例として和歌山県が紹介されています。組織体制図が明らかになるとイメージがしやすいですね。
協議会の体制 和歌山県

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P91から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
 鳥取県の事例は、各市町村の意見が確実に反映される、ということを明確に示しています。体制としてこのような形ですので、希望事項がどのように反映されていくのか、現場にもわかりやすいですね。
協議会の体制 鳥取県

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P92から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 前例のない仕事というのはとてもエネルギーが必要ですね。ですが、現場の先生方が少しでも時間が楽になり、その分子どもたちへの教育に頭を振り向けていただけるなら、それだけご自分の自治体の未来が明るくなると考えられます。私の故郷も消滅するのではないかと世間的には見られていますが、子どもを育てやすくすること、教育に投資を行っていることのおかげで、「あそこの町は子どもにいい」と評判になり、人口を維持できています。(増加は難しいですね)

 前例のない仕事なので、できれば成功に導きたいわけですが、その推進組織・体制を整備する際に、以下の3点が非常に重要であると手引きでは述べられています。

  • 1 事務局の立ち上げ
  • 2 知事部局の関与
  • 3 導入後の体制維持

 物事を進めようとすると、口頭での説明だけでは不十分で、資料等の作成や調査が必要になりますね。その際に、「事務局」が主としてそれを担うわけですが、内外のリソースを活用することが有効だとあります。
 また、知事部局、特に情報システム部門には必ず協力してもらわなければなりません。情報システムの調達は物品の調達と違う難しさがあるということは、これを読まれている自治体の方は骨身にしみていらっしゃるでしょう。全県、となるとものすごい規模です。契約した後「仕様にありませんでした」では推進できません。
 検討を進める段階で、必ず確認しておくようにする必要があります。例えば、事務局的には「こんなこと確認するまでもないだろう」と思うようなことでも、情報システムに関連するものはいちいち確認しておいたほうがいいです。校務支援システムによってはjavaスクリプトのバージョンいくつからいくつの間でないと動かない機能があることがあります。その場合、使っているOSのバージョン、ブラウザ等考慮しなければならないことが一気に増えます。これらは知事部局の情報システム部門では思いつく可能性がありますが、通常なかなか思いつきません。そのため、情報システムとしての視点でも知事部局の関与が重要になるわけです。

 

 次回は第2部第5章の続き、スケジュール策定についてご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

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