サービスレベルを決定しておくことがより良い運用へつながります
皆さんこんにちは
働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
今回は第5章3.3.3②イ サービスレベルの決定 についてご説明させていただきます。
運用開始後、かなりの確率で「頼んでもやってくれない(by自治体担当者)」「過剰な要求をされる(by業者)」という声が聞こえてきます。先人たちのその声が、この項目となって明確化されていますので、ぜひご確認いただければと思います。
自治体担当者と業者の担当者の間での解釈や認識の齟齬は起こらないほうが珍しいと考えていいでしょう。自治体はまず予算ありきの考え方、使わなければ来年減らされてしまう恐れがある、という恐怖を抱えていますし、業者はまず利益ありきの考え方、できる限り経費を削減しないと赤字になる、という恐怖を抱えています。お互い出発点が違うので、どうも話がちぐはぐだな、と思ったら必ず本音で確認する必要があります。
うんうん言って頷いているから了承してもらったと思っていたサービスが、「書面にないからやりません」ということは後から嘆いても何ともならないこととなります。
お互いの認識を合わせるために、SLAを定めておくと安心だというのが手引きにあります。
文書として残しておくことで、お互いの認識をその文書を元に確認できるため、齟齬が小さくなる可能性が大いにあります。
手引きでは大阪市が調達仕様書で提示したSLA項目が紹介されています。ぜひご参考になさってください。
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P115から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
SLAの決定方法は2つ紹介されています。
調達仕様書に具体的に確定できる場合、これは運用実績がある既存のシステムを導入する際に確定できるものになります。そのため、明文化しておくといいですね。もう一つは新規システム開発等で調達仕様書には具体的に確定できない場合です。この場合は調達仕様書には「SLAを締結する」という文言を入れて置き、後から独立した文書として締結するなどの方法も取ることが出来ます。
入札者が適切な見積もりを行えるよう、仕様書の中に主要なサービスレベル評価項目とサービスレベルマネジメントのための運営ルール等を記載しておくと、「こんなはずじゃなかった」が抑えられます。
とはいえ、過度に厳しい基準を設けると、それを達成するための費用が高額となり、共同調達のメリットが薄れてしまう可能性があります。
首長部局の情報システム課とよく相談し、助言をもらって、既存のSLAに照らし合わせ、統合型校務支援システムにはどこを押さえておけばよいかということを話し合う必要があります。
なお、手引きには、別のシステムのSLAをそのまま適用すると、過剰な要求レベルになることもあるので注意するようにと但し書きがあります。どうしても外せないことが何なのか、事務局の中でもよく話し合っておく必要がありますね。稼働率なのか、ヘルプデスクのサービスの質なのか等、運用を行う上で重要なポイントを記載しておくと安心です。
次回は第2部第5章の続き、情報提供依頼(RFI)の実施についてご説明させていただければと思います。
何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。
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