研修をどこまでやるかを決めておくのは重要です

皆さんこんにちは

働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
校務支援システム導入により花開くイメージ

今回は第5章5.3 稼働前の準備についてご説明させていただきます。

データ移行が発生すると、スケジュール的に非常に押すことが考えられるのですが、それでも運用テストは実施しておくべきです。
事務局が行う運用テストも必要ですが、手引きでは実際に利用する教職員のためのテスト期間として説明されています。そのメリットとして

  • 1 稼働前に不具合をなくすことが出来る
  • 2 マニュアルの正確性が確認できる

 があげられています。現場で必要な先生が実際に触ってみることで、やりたい操作を行うにはどうすればよいかということがわかりますね。また、マニュアルのどこを読めばよいか、ということについても確認ができます。メーカーが作るマニュアルは「機能マニュアル」であることもあります。つまり、使い方に沿ったマニュアルではない、ということが考えられるわけですね。
 そのため、手引きにもある通り研修の実施が欠かせません。
集合研修
各校訪問研修
マニュアル・動画の配布による研修も考えられます。
またそれぞれ権限の違う人たち「管理職向け」「管理職以外向け」「システム管理者向け」などに分けて研修を実施している例もあるということでした。
集合研修は効率的ですが、規模の大きな共同調達では現実的ではない場合もあります。
研修を行えばもちろん教職員の理解度も深まりますが、時間、場所、何より金額の制約が出てきます。全員に研修を行うのが理想ですが、手引きでは、集合研修は代表者に行い、参加していない教職員にはマニュアルや動画を配布して研修を行ったという方法が紹介されています。

 そのほかにも統合型校務支援システムに関する情報を周知していくというのも重要です。
 学校・教育委員会担当者に向けた周知
 児童生徒、保護者等に向けた周知
 がそれぞれ必要です。「保護者に周知が必要?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、手引きにある通り、通知表の様式が変わったりする可能性がありますので、事前に周知しておくことが重要ですね。

手引きには滋賀県草津市での通知表様式の変更周知の例が記載されています。非常に参考になりますので引用します。

説明方法

  • 1 草津市教育情報化推進計画に、校務支援システムの導入目的、実施スケジュール、目標成果指標等を記載し、草津市ホームページにて公表(平成28年3月)
  • 2 教育長名にて保護者向け文書を作成・配布し、校務支援システムによる成績処理並びに通知表の様式変更についての通知(平成28年4~5月)
  • 3 草津市学校業務改善プランに、改善策の一つとして校務支援システムによる情報共有と校務の効率化を記載し、草津市ホームページにて公表(平成29年3月)

という手順を踏んだとのことです。重要な考え方が記載されていますので抜粋します。
「学校から発信される情報にも公開の義務が求められている今、通知表を含めた帳票の様式変更に関するお知らせに限らずとも、学校から発信される情報に変更が生じた場合などは、各過程へ丁寧に説明を行うことも押さえておきたいポイントです」
とあります。事前に「変わるよ」と、伝えておけば、変わったものを見ても「ああ、変わったね」、と思うだけですが、突然変わると「聞いてない」になりがちですね。事前に言っておけば、ママ友同士で「えー、知らないよそんなの」「何言ってるの、ちゃんとお知らせ来たわよ」「え!またあの子お知らせを……!」と仲間内で解決されるわけですね。

 このように手順はたくさんありますが、必要なところを押さえておけば、導入後の混乱が最小限になります。

 次回は第2部第5章の続き、運用・保守についてご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

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