プログラミング教育導入の経緯は平成28年にさかのぼります
皆さんこんにちは
2018年3月30日に公開された「小学校プログラミング教育の手引き(第一版)」http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1403162.htmについてご説明をさせていただきたくおもいます。
2020年より小学校でのプログラミング教育が必修化されることになりましたが、現場でプログラミング教育の経験があるのはごくわずかの先生方となります。
そこで、この手引きでは「学習指導要領や同解説で示している小学校段階のプログラミング教育についての基本的な考え方などをわかりやすく解説し、教師がプログラミング教育に対して抱いている不安を解消し、安心して取り組めるようにすることをねらい」としているとあります。
安心して準備や実践に取り組んでいただけるよう、ご説明をさせていただきます。
本日は「第1章 小学校プログラミング教育導入の経緯」の部分のご説明をさせていただきます。
この手引きには以下のように紹介されています
- 平成28年6月16日 小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議「議論のとりまとめ」
- 平成28年12月21日 中央教育審議会「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」
- 平成29年3月31日 小学校学習指導要領公示
- 平成29年6月21日 小学校学習指導要領解説 総則編公表
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中央教育審議会における学習指導要領の改訂に向けた議論の中で検討され、導入に至ったというわけですね。
また、「情報化の進展により社会や人々の生活が大きく変化し、将来の予測が難しい社会においては、情報や情報技術を主体的に活用していく力や、情報技術を手段として活用していく力が重要であると指摘」された、とあります。
情報活用能力については今回の学習指導要領改訂において非常に重要視されているところで、これを身に着けさせるためにはどのような手段があるか、という議論でプログラミング的思考を育んでいく、ということが方法として挙げられたと考えられます。
中央教育審議会は「小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議」の議論のとりまとめを土台とし、小学校段階において子供たちに論理的思考力を育むためのプログラミング教育の在り方について詳細な議論を重ねたということです。
有識者会議のメンバーはhttp://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/122/attach/1371075.htm にある通りですが、現場の先生が2名、企業等関係者が6名、大学教授等が7名という構成です。この議論のとりまとめでは「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」が「プログラミング的思考」であると説明されています。
まだまだこれからの議論ですのでなかなか一言でズバリ、と言い表すものがないため、引用も長くなるのですが、とにかく今まで言語化されていなかった、明確になっていなかったこの活動が次世代の子供を育むために必要だという認識がなされたわけですね。
また、プログラミング教育で育む資質・能力については各教科と同様に
- ・知識及び技能
- ・思考力・判断力・表現力等
- ・学びに向かう力、人間性等
と3つの柱があるとされています。現場の先生方はこれでぐっと考えやすくなったのではないかと思います。
行政職の皆様には繰り返し申し上げますが、新しい学習指導要領では総則において情報活用能力を、言語能力等と同様に「学習の基盤となる資質・能力」と位置付けています。
今までの学習指導要領になかった能力です。
つまり、新しい能力として定義され、先生方もその定義の解釈について今からやっていこう、という段階であることをご理解いただければと思います。
比較的新しい議論だと思われがちですが、ずっと必要だと考えられていた能力について「プログラミング教育」という名前を得たことで議論が進んだ、ととらえていただければと思います。
先生方は授業を「組み立て」るわけですが、その能力をどうやって身に着けたのか、ということを言語化してみたら「プログラミング的思考」にたどり着くということですね。これからを生きる子供たちにもぜひ多くに目の前にある物事をどうにかするために思考する力、つまり、プログラミング的思考を身に着けてもらいたいと願います。
ご質問、疑問点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。ご一緒に歩を進めていくことでよりよいプログラミング教育の取り組みができればと思っております。
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