プログラミング教育のねらいを何度も確認しておくことはプラスです
皆さんこんにちは
小学校プログラミングに関する資料がここ最近どんどん出てきています。必修化が2020年と目前に迫り、全国の小学校の先生方にいろいろな情報が提供されています。
そのうちの
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1375607.htmで紹介されている、小学校プログラミング教育に関する資料より、まず「小学校プログラミング教育に関する概要資料」からご説明させていただきます。
概要資料ですが、12ページにわたったスライドで様々な情報が提示されています。
それだけプログラミング教育に関して理解をしておくことが多いというわけですね。
今回は「プログラミング教育のねらい」の部分のご説明をいたします。小学校の先生にとって「自分で研鑽して取ってこなければならない情報」になりますので、ここを様々な資料、媒体で確認するのが理想となります。理想なので、お忙しい現場の先生にはなかなかその時間が取れません。したがって、行政職の皆様には、このねらいを良くご理解いただいたうえで、ご自身の自治体ではどういう子供を育てたいのか、という方針に当てはめてお考えいただくとよいのではないかなと思います。
小学校プログラミング教育の手引きでのご説明の時も申し上げましたが、小学校プログラミング教育のねらいは3点。
- 1 プログラミング的思考を育む
- 2 プログラムの働きや良さ、情報社会がコンピュータをはじめとする情報技術によって支えられていることなどに気づく、身近な問題の解決に主体的に取組む態度やコンピュータ等を上手に活用してよりよい社会を築いていこうとする態度などを育む
- 3 各教科等での学びをより確実なものとする
です。特に「プログラミング的思考」とは、「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」とあります。
よく言われるのは、なんだかよくわからないけどうまくやってくれている仕組みに気づく、ということですね。電車の自動改札は、ぴっとタッチすればうまいことやってくれていますが、それを一瞬で終わらせるために目には見えない仕組み、プログラミングがものすごくたくさん使われているわけですよね。
しかも、様々な鉄道会社のカードが相互に利用できるようになっていますが、これもよく考えればすごいことです。人や物の流れがダイナミックになっている今、共通のプラットフォームを元に開発していくという思想が非常に重要なわけですよね。そのうち世界中で同じ方法で電車に乗れる日が来るかもしれません。それを作るのは今の子どもたちかもしれないですね。
だから、そういう「裏側ってどうなってるんだろう」を見つける子どもたちを増やす、「こんな不便なことあるけど何とかできないかな」を考える子どもたちを増やす、そういう根底があるということをご理解いただければと思います。
ただ、このプログラミング的思考ですが、これ単独で何とかなるものではありません。P6には、小学校プログラミング教育の育成する資質・能力と情報活用能力の関係を表した表が掲載されています。
プログラミング的思考を育成するために、いきなり1年生に「ではダブルクリックでアプリケーションを開きましょう」というわけにいきません。「「hello」ではなく「こんにちは」と入力しましょう」などは論外です。きちんとコンピュータを操る知識及び技能、そしてコンピュータで簡単にやれてしまうけれど、やるべきでないことを理解するための学びに向かう力、人間性 あるいは 思考力、判断力、表現力等も併せて育成していく必要があるわけです。
それについては昔から文部科学省が「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度」として教育を進めていくよう指針を出しています。
そのため、私は今、ご支援している自治体の「情報活用の実践力」として作成された各学年のICTリテラシーのカリキュラムと、「情報の科学的な理解」として作成されたScratchを使用した指導案集、「情報社会に参画する態度」として作成された各学年の情報モラルカリキュラムを1つにして、学年毎に何月に何を行ってから何月に何…というカリキュラムを作成しています。
5年生に社会で「情報化した社会と私たちの生活」を学習することから、ここに集中してしまいがちなのがネックで、あと5年生だけなのですが少し苦労しています。
これらを元に、7Pでは「2020年度からの全面実施に向け、計画的に準備していくことが必要」とあります。プログラミング教育に関する資料はこれらがありますよ、という紹介が7Pに凝縮されていますので、ぜひご確認ください。
行政職の皆様も、「国がこういっている」だけだと「現場に負担ばかり押し付ける」と感じる人もいらっしゃるでしょう。ですので、これらの資料の意図を考えられるようになるために、一度講演を聞かれるとよいのではと思います。
次回はこの資料の続き、プログラミングに関する学習活動の分類をご説明させていただきます
何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。
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