Scratchと私-活用の進む3つのこだわりについて-1

私がScratchを始めたのは、プログラミングをしてみたかったから、とか、Scratchを触ってみたかったからではありません。
たまたま街で見つけたデジタルの世界を自分でも表現したいと願っているうちに必要となってきたからです。

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4年程前、とある博物館内で、ふと足元を見ると、床に映っていたデジタル映像の多数の鯉が床の上を泳ぎ回っていました。
その鯉の一匹を足でタッチすると、一瞬にして泡になり消えました。
映像が私の動きに反応することが、とても興味深く、どうしてこうなるのか?どこから私の動きを見ているのか?と不思議でたまりませんでした。

巨大モニターに映るイメージ

また、ある大きなショッピングセンターに出かけた時、通路の壁に埋め込んであった巨大なモニターでも興味深いものを見つけました。
モニターには、その前を歩く人の姿が鏡のように映り、なぜかその回りにハートやかわいらしい幾何学模様が現われ、人と一緒に動いていました。
人の動きに即時反応することが、とても面白く感じられました。

最近ではデジタルと人間合体の世界はあちこちで見られますが、わずか4年前は、まだそのようなものはあまりお目にかかれる機会が少なかったと思います。
とにかく、そのような体験が忘れられず、なぜか自分でもそのような世界を再現してみたいと思い始めました。

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その数か月後、東京に出かけた時、大学数校が共同で主催していたイベントを見に行く機会がありました。
あるブースでは、学生がカラフルな軍手を手にはめ、パソコンの画面に向かってその手を大きく振っていました。
それにつられ、画面の中の風船がパンと割れました。「あっ!これも同じだ!」
再び私の心に火がつきました!!

「これはScratchというプログラミング言語で作っています。Webカメラで人の姿を取り込み、その動きで中の風船を割っています。1日で出来上がりました。」と学生が楽しそうに話をしてくれました。
驚きでした。難しいプログラムではなさそうでした。また、普通のパソコンだけで簡単に作れそうでした。
ひょっとしたら、私でも出来るのかも…???

図書館や本屋に出かけ、あるいはパソコンでいろいろ調べてみましたが、今とは異なりScratchに関する情報は少なく、もやもやとしていました。
ようやくScratchの情報を得て、イチからScratchの勉強を始めました。しかし自分の姿を画面の中に取り込む方法のヒントは、ありませんでした。

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あるとき、名古屋地区でScratchを広めるためのイベントが初めて開かれました。
プログラミングに興味のある教育関係者や学生、そして一般の人など、大勢が集まりました。
Scratchなどのプログラミングに関連した体験談、Scratchのワークショップ、Scratchを使った電子工作の展示などがありました。とても刺激的で楽しい時間でした。

2回目に開かれたイベントでは、自分の動きで画面の中のキャラクターを動かすゲームが披露されていました。
動きのシンクロ
Webカメラではなく、Kinectという装置で人の動きをパソコンに取り込んでいました。
Kinectとは、本来はMicrosoftのXboxというゲーム機用に作られた装置ですが、パソコンで利用できるものが開発されていました。
興味はありましたが、私が家で扱うには、Kinectを購入する必要があり、またプログラミング言語での設定が必要そう(?)であり、私には少々ハードルが高いものでした。

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諦めず、Scratchだけで試行錯誤をした結果、ようやくプロジェクトが出来ました。
Webカメラからリアルタイムで取り込んだ画面内の自分が、1分間で出来るだけ多くのリンゴを受け取るというゲームです。手の動きに反応してリンゴが消えていきます。
(このゲームを行う前に、Webカメラの使用を許可する必要があります。)

カメラへのアクセスキャプチャー
りんごいくつとれるかな
『リンゴいくつ取れるかな!(Apple Catcher)』
https://scratch.mit.edu/projects/16669612/

それまでの私は、本などの手本を真似してプロジェクトを作っていましたが、1から作ったのはこれが初めてでした。それにしては、よくできたと思います。
このプロジェクトを完成したことで、達成感と、Scratchの楽しさを大いに感じました。これがきっかけでScratchにはまり、今日に至っています。

今年の初めに嬉しいことがありました。あるイベントでKinectを使った子供向けのScratchのワークショップが開かれ、私はそのお手伝いをさせていただきました!
自分の憧れる世界にまた触れることが出来ました!

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今ではデジタルと人間の融合の世界は、ARやVRという形で、日本中あちこちで披露されています。
皆さんご存知の「チームラボ」などは、まさにこの流行の火付け役であり、そのダイナミックなアート表現は素晴らしく、とても憧れます。

私がScratchでそれらしい世界を表現することは、まだなかなか難しいですが、これからも時々挑戦してみたいと思います。

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株式会社ハイパーブレイン
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