教育の情報化に関する手引き最終章

皆さんこんにちは、教育の情報化に関する手引きもとうとう第10章です。「教育委員会・学校における教育の情報化」について述べられています。

ここでは、教育CIO、学校CIOとICT支援員について述べられており、当時非常に画期的な内容で、とてもうれしかったことを覚えています。ICT支援員事業はかなり前からありましたが、それが「必要である」と文科省に取り上げられ、この名称の認知度が上がるきっかけの1つとなりました。

さて、文科省の推進体制として、教育CIOは教育委員会内で教育の情報化のビジョン構築・実行を行う立場、そこに教育CIO補佐官または教育情報化推進本部があげられています。

その体制で指導・支援を学校に行います。

学校では学校CIO(校長・副校長・教頭)が、その指導・支援を受けるとあります。学校CIOは情報化推進委員会(情報部会)に指示をし、企画立案を受けます。実際の教育活動や情報化の推進は、情報化推進委員会と、教員、ICT支援員がそれぞれ三角形の頂点としてお互い連携しながら行うという図が示されています。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/13/1259416_15.pdf 233P参照

また、234Pでは教育委員会と学校の役割分担について例示されており、それまで何となくで分けられていた仕事がより明確化されました。
行政職の皆さんはこのページをご参考いただければ、どのようなことをしていかなければならないのか、ということがわかりやすくなると思います。
自治体によって、既に実行している分野、そうでない分野があると思いますが、今ではICT活用教育アドバイザー派遣等を利用することができる等http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1370125.htm、様々な活用推進策がとられています。

235P、236Pには「『学校の情報化』に向けた管理職のアクション」の自己評価用シートが添付されています。ICT活用を推進するにはまず管理職の意識付けが必要だと、ここで強調されています。
校長先生の意識が変われば、学校全体の意識も変わります。「ICT活用を推進したい」と思われた際にこの自己評価シートの項目を確認すれば、それを行っていけばよいというヒントになっています。
行政職の皆さんも、管内の校長先生にご相談された時等にさっとこのページが取り出せると心強いのではないでしょうか。

教育の情報化は、多くは最初ボトムアップで始まりました。ICT機器の教育効果に気付いた熱心な現場の先生方がたは何とか快適に使おう、と努力を重ねてこられました。ただ、急速なICT技術の進歩で、各学校独自の予算や規模では整備しきれない重要なインフラ等が出てきたため、いよいよ教育委員会で取りまとめて効率よくICT活用を推進する必要がでてきたのです。

平成22年10月に発表された教育の情報化に関する手引きは、私がご一緒に仕事をさせていただいている自治体のICT推進と歩を一にして発表されたような感覚を覚えます。「教育委員会主体で進めなければインフラ整備はできないほどネットワーク等は高度化した」時期の手引きは、今でも色あせることなく行政職の皆さんのお手元でよい資料として活用いただけるものだと感じます。
予算時の資料や市長説明、議会答弁等に是非ご活用ください。

 次回からは「教育のIT化に向けた環境整備4か年計画」についてお話しさせていただきます。

投稿者プロフィール

株式会社ハイパーブレイン
株式会社ハイパーブレイン
株式会社ハイパーブレインです。
教育の情報化に貢献し,豊かな会社と社会を作ります。