プロダクト開発を通して学んだ顧客視点の考え方

2024年1~2月、臨地実務実習生として名古屋国際工科専門職大学から2名のインターンシップを受け入れました。
約1か月間ハイパーブレインで業務に携わったお二人に、大学生の目線で業務や会社の様子について感じたことを伺いました。

実習生Kさんのアイコン

2年生 Kさん

実習生Oさんのアイコン

2年生 Oさん

より利用しやすいプロダクトを目指し試行錯誤

社員F

専門職大学在学中のお二人は、これまでどのような勉強や経験をされてきたのですか?

Kさん

昨年度、中国で開催されたサマースクールに参加し、ハッカソンのリーダー役として各国の参加者と英語でコミュニケーションをとりました。学外では友人と起業し、ブレインテック系の企業で開発や営業などあらゆる業務を行っています。

Oさん

入学前にIT系の企業で働いていました。クライアント企業への常駐がメインの会社でしたが、事務所内でほぼ一人で勤務していました。不明点は調べながら自力で解決する経験を重ねたこともあり、分からないことは分かるまでとことんやる精神が身に付きました。

社員F

ハイパーブレインでの臨地実務実習で担当された業務内容を教えてください。

Oさん

ハイパーブレインのプロダクトの1つであるチャットボットEQ.bot(エクボ)に関して、大学向けのFAQの作成と、開発の2つの側面で携わりました。

元々、名古屋国際工科専門職大学には学校側が作成したFAQしか存在しなかったため、受験生や保護者などのニーズに合わせたFAQを作成しました。似た大学のWebサイトを見て、どのような情報が必要とされているのか情報収集をしつつ、一から作成しました。まず、見る人が分かりやすいQをガイドラインに沿って作成し、その後時間をかけてAを作りました。大学Webサイトから根拠を探して作成したAをリスト化し、大学に確認をとって採用する、という流れです。僕たちが作成したAは一日30個程度ずつ、内容や表記が適切か社員にチェックしてもらいました。

Kさん

開発については、既存のEQ.botのシステム上の問題に解決案を出すことが使命でした。具体的には、例えばチャットボットにエラーコードを入力しても、該当するエラーや関連のエラーが返ってこないという事象があり、これを安定して返ってくるようにするにはどうすればよいか試行錯誤しました。
どういったシステムになっているのか理解することから始め、Qの入力の仕方で工夫する方法、AIに学習させる方法、AI自体の種類を変える方法を思いつきましたが、入力の工夫は後々出てくる問題といたちごっこになることが予想されたこと、AIを変えることはコスト的に難しいことから、AIに学習させて解決を目指すことを目標にしました。

社員F

実習前はFAQ作成のみを依頼する予定でしたが、意欲の高いお二人だったので開発にも携わっていただくことになったと伺いました。現時点(実習3週目)での達成度はいかがでしょうか。

Kさん

現時点でFAQ作成は8割ほどの達成率です。初めにピックアップしていたQは約300個ありましたが、内容の重複など取捨選択の上、Aまで作成したのは約170個です。残期間でEQ.botのデモ環境にCSVデータを流し込んで、チャットボットとしての動きを確認予定です。

FAQのテキストを作る中で、ハイパーブレインの社員が「Caps Lockキーが分からない人がいるかもしれないから、こんな伝え方にしよう」など利用者目線に立って考えることで、知識がない人も利用しやすくなる工夫をしているのが印象的でした。

Oさん

開発というものには明確な完成がないので、そもそも自分たちが本質に取り組めているか自問自答しながらここまで取り組んできました。エラーコード検索で答えが返ってくるようにするための学習法を見つけ、エラーコードと答えの1対1対応が可能な状態にすることができました。関連するエラーとの紐づけや、他への影響の有無の検証は今後の課題として残っています。

担当社員からのコメント

EQ.bot責任者O

開発室が多忙で、すぐに手を付けることが難しかった部分に着手してもらえ、一定の方向性が見えたことはとてもありがたいです。また、FAQ作成の手法と配分時間についても知見を得られました。
トリリオンゲームのハルとガクのように2人で課題に取り組み、お互いに補い合って仕事しているのを見て、とてもうれしくなりました。ハイパーブレインとして初めて長期実習生を受け入れることができ、意欲の高い2名に来てもらえたことはとてもうれしいことです。ありがとうございました。

開発室長S

実習生には、私たちのチャットボットの回答エンジンを改善するミッションを任せました。彼らはプロジェクトベースで学びながら、仮説を立て、概念実証(PoC)を通じて検証するというプロセスを繰り返しました。この取り組みから、実際に実装可能な改良案を見つけ出し、その有効性に関する手応えを得ることができました。
2人は予想を上回る優秀さを示し、私たちに新たな視点やアイデアを提供してくれました。今回は特にプロジェクトとのタイミングが良く、1ヶ月の期間を有効に活用することができました。

実習期間で得た今までになかった"考え方"

社員F

実習の中で、社員とはどのようにコミュニケーションをとりましたか。

Kさん

毎日前日の成果物について確認する時間があり、担当社員と会話でコミュニケーションをとれました。困ったときにすぐに他の社員にも質問しやすい環境で勤務できました。限られた時間で必要な情報交換ができるよう、事前に共有すべき事項をまとめておくなど準備をしてミーティングに臨むこともありました。

Oさん

作成したFAQの内容がガイドラインに沿っているかだけではなく、自分たちで気づかなかった視点で提案をしてもらえて助かりました。

Kさん

基本的には自由に取り組ませてもらい、一方で適宜助言をもらえたので、のびのびと実習できました。「とにかく楽しんで!」と何度も声をかけてもらったので、目の前の問題を解決しなければという焦燥感があった中で、寄り添って心の負担を軽くしてもらえた感じがします。

Oさん

僕は型にはまった方がやりやすいタイプではありますが、実習生2人で互いの得意分野を生かして協力することができたので、逆に取り組みやすかったです。

社員F

実習に参加する前後でハイパーブレインへの印象に違いはありましたか?

Kさん

Webサイトを見て、教育系の会社ということもあって堅そうなイメージがありました。でも実際には社員はそんなことはなく、一緒に働く人とコミュニケーションをしっかりとりやすい環境の会社でした。ただ、冬ということもあり名古屋本社は寒かったです。

Oさん

WebサイトからはAI開発をしている会社という感じがしなかったのですが、蓋を開けたら高レベルの開発をしていることが分かりました。

社員F

今後Webサイトは改修を進めていく予定です。適切な会社PRの方法は、今後の課題として私たち社員が取り組んでいきたいと思います。

最後に、実習の感想や今後頑張りたいことを教えてください。

Kさん

皆さんが利用者のことを考えたプロダクト開発をされているのがすごいと思いました。僕もスタートアップで開発をしていますが、「この技術を使ってビジネスをやろう」という考えになりがちです。ハイパーブレインでは、顧客の気持ちを考えてサービスを作っている点がクリエーティブだなと感じました。顧客視点に立ってアウトプットする思考は、今後にも生かしていきたいです。

Oさん

自分が思っていることと相手に伝わりやすいことが違うということが分かったので、相手の立場に立つ考え方は今後に生かしていきたいです。AI開発に関わったのは初めてですが、未知の分野も助言をもらいながらも光が見えるくらいの成果を残せたので、「諦めなければなんとかなる」という気持ちを今後ももっていきたいです。

名古屋国際工科専門職大学の先生からもコメントをいただきました!

O先生

限られた実習期間で、問題の見極め・課題の洗い出し・対策の提案・実装や評価などを進め、成果物を仕上げていく体験は、普段の大学でのカリキュラム内では得難いものです。今回は実習生二人の間で各々の特性を踏まえた役割分担ができたことや、現場の社員の皆様とも良好な交流や連携ができたとのことで、当初の期待以上に素晴らしい実習を行えたものと思います。最適な実習テーマをご提案いただいた担当者様、ならびに現場で実習生を支えてくださった社員の皆様にお礼申し上げます。